Holy cow！３（JW） (ページ29)

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緑「じゅんたと濵ちゃんはどこ向かってるんやろか」

『うん……』

緑「しげもあっち行くか？」

『んーん…いかへん……』

　じゅんたがびっくりして濵ちゃんのうしろに隠れて固まってしまうくらい淳太を見送るまえから見送ったあとまで大号泣して疲れてきったようすの小さいしげは公園に来てからも走りまわることなく黙ったままぷかぷかとしゃぼん玉をするだけで元気がなくて、＂おとなしいしげ＂を見てるこっちの調子が狂う。

『……きれいなぁ』

緑「シロツメクサ、言うんやで」

『ふーん……じゅんたにぴったしかも…』

緑「このお花で冠作れるんやけど作ってみる？」

しゃぼん玉に飽きてひと息ついているとあたり一面に咲いていたシロツメクサに興味を示した小さいしげの表情がほんの少しだけ綻んだ。

すかさずシロツメクサで作った冠の写真を見せれば小さいしげの目はきらきらと輝き出して「じゅんたにあげたい…かみちゃんおしえて！」とやる気に満ち溢れている。

『じゅっ、た！』

「だいきくん！」

どっちの＂じゅんた＂を指しているかわからなくて、てっきり仕事に行ってしまった淳太のほうだとばかり思っていたからいっぱい失敗してやっとできた冠を大事にかかえてじゅんたのもとへ駆け出した時は驚いた。

「じゅんたね、だいきくんにね、ぷれれんとあるの！」

小さいしげ、もじもじしているうちに「だいきくんげんきになってね！」と先手を取られてしまいました。

緑「四葉のクローバー探してたんや」

紫「これがなーっかなか見つからなくて大変やったわ」

じゅんたは満足して濵ちゃんのほうに駆け寄ってきそう。
さて、どうする、小さいしげ。

『だ、だいも！だいもじゅんたにあげたい！』

「えぇっ！わ！おはなすごぉーい！」

『えっとね、じゅんた、だいとけっこんちて』

お花の冠にいいリアクション。結婚して！なんて爆弾発言が飛び出して濵ちゃんと「かわええな〜」と暢気に目尻を下げて見守っていたら、冠をじゅんたの頭に乗せたしげはそのままじゅんたのほっぺたにくちびるを寄せた。

緑紫「「ちょお…！」」

「じゅんた、はまちゃんとけっこんするからごめんね」

『いやや！』

「うーん…」

『だってしげおかがいうてたもん！おっきくなったらだいとじゅんたはけっこんするって！』

「えっ！…はまちゃぁあん！」

じゅんたのやつ普通に断りはったと思ったら。
あーらら。こらまた一波乱ありそうや。