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これは淳太が高熱で体調を崩した数日後の話、精神的に不安定になっていた俺は多忙にも関わらずまともに睡眠も取らずに淳太の傍から離れずにぐるぐるとネガティブな思考を巡らせた結果、知恵熱を出してダウンする始末。本末転倒というかなんというか、ただオフに合わせてくるあたりにプロ意識を感じる。
桃「いや、ほんまもんのプロは体調崩さへんねん」
橙「まあまあ…撮影続きやったんやし今日はゆっくり休みや!……で、間違っても淳太くんに執拗に絡んだりじゅんたくんと遊んだりせんとってな!?」
赤「そんな元気あらへんし」
照史に言われんでも素人が勝手に知恵熱と診断しただけでほんとは風邪かもしれないからじゅんたやメンバーに移すわけにもいかないし、大人しく部屋で寝るつもりですよ、と自宅の隣・淳太の家に入る。
黄「やっぱ来たか。照史に怒られても知らんで」
開口一番に盛大な溜息と共に大きく肩を落とすも体調を心配しながら部屋に通し、ソファに座った俺に毛布まで持ってきてくれる淳太はなんだかんだ優しい。
赤「膝枕とかしてくれてもええねんで?」
黄「枕持ってくるわ」
赤「ちゃうやんっ!」
黄「うるさいなぁ…ほんまに病人か?」
まあ淳太を丸め込むなんてことは容易いから結局膝枕してもらって、照史に勧められた韓国ドラマに夢中な淳太を下から見上げてたまにちょっかいをかけては鬱陶しがられる昼下がり。脚痺れてんけど…と文句を垂れつつも飲み物を取りに行って席を外しても戻ってくると「しげ、頭」と膝枕してくれて、俺がトイレから戻ってきて何食わぬ顔で膝に寝転んでも文句を言うどころか毛布かけ直してくれて最高のオフ。
赤「めちゃくちゃ甘やかしてくれるやん」
黄「ない頭を捻らせてもうたから罪滅ぼしよ」
赤「何か引っかかるけど思いっきり甘えたろ」
黄「ええー…ていうか少しくらい寝ろや」
赤「やーだーねー!」
黄「…ったく。しんどなったらすぐ言えよ」
多少の熱っぽさはあれど朝は起き上がれないほどだった倦怠感がほとんど無くなったのも、この知恵熱は淳太欠乏症が引き起こしたストレス性のもので不足していた淳太を十分に摂取すればすぐに治るとわかってたからここに来た。って照史に言い訳しよう。
ピンポーン。軽快な音がなり、玄関に向かった淳太が来客者と会話を交わしているがよく聞こえなくて毛布にくるまったまま廊下に出ると脚に何かが勢いよくぶつかった。
赤「…え。じゅんたやん…!」
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作者名:26 | 作成日時:2021年10月29日 1時