Holy cow！２（JW） (ページ41)

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　仕事の合間にみつけた春。ふとじゅんたにも見せてあげたいと思っていろいろ調べてみたら都心からちょっと離れた場所にこどもが楽しめそうなスポットを見つけた。淳太は生憎仕事で行けないからじゅんたとふたりで電車を乗り継いで向かうことにした。

赤「しげちゃんの手離したらあかんよ」

電車とホームの隙間にビビりながら乗り込んだ鈍行列車のボックスタイプのシートに座っても先ほど駅のホームでした約束を守って手は繋いだままのじゅんた…はじめての電車に緊張してるのかも。

赤「じゅんたのリュックに電車で食べてねって照史がつくってくれたおにぎりが入ってるから食べよ」

背負ったままだったリュックをおろすのには手を離さないといけないことに気づいて不安そうにこちらをみてくるから「電車のなかではええよ」と声を掛ければ手を離してリュックをひざに乗せた。

「しげどっち？」

赤「じゅんたが先選び？おかかとこんぶやって！」

「こんぶくーださい」

赤「はい、どうぞ。食べる前にこれで手拭くんよ」

「はーい」

平日の午前中ということもあってか電車は空いていて乗り込んでくるひとのほとんどが子育てや仕事が終わって自分達の時間を満喫している俺の親世代や年配のご夫婦や友達同士。

『パパとふたりでおでかけかな？』

通路をはさんだシートに座っていた３人組のおばあさんのうち対角に座っていたひとりがじゅんたに声をかけてきた。

「ぱぱ…？」

『あらやだ、お兄さんだったかしら』

『ぼくお名前は？』

『恥ずかしいね〜』

赤「じゅんた、お名前聞かれてるで」

同乗していたお友達も話しかけてきて恥ずかしくなってしまったじゅんたは俺の影にかくれて、ひょっこり顔を出しながらめーーーっちゃ小さい声で「じゅんたです」と名乗った。案の定おばあさんたちには聞こえてなくてもう一度大きい声で言わされてたけど。

赤「あのー…お菓子いただいちゃってすみません…ありがとうございます。じゅんたもほらありがとして」

「おかしありがとっ」

『あら。じゅんたくんはいい子ねえ〜』

たくさんお菓子をくれてたくさん褒めてくれたおばあさんたちが降りていくのを手を振って別れて、いただいたお菓子を食べながら目的地である終点をめざす。

「がったん〜ごっとん〜がったん〜ごっと〜ん」

赤「じゅんたくんごきげんじゃないの」

「でんしゃたのしい！」

電車にもすっかり慣れたようす。
たまには外に出してあげるべきだよなぁ…

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