３：ｈｍ（★） ページ3
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淳太が以前センチメンタルになっていたしげちゃんに対して「じゅんたは居なくなったりせんよ」と励まして不安を一瞬で消し去ってくれたという一言がいまになって引っかかるという。
赤「あいつ、あいつ��は��って言うてん」
紫「…うん？」
赤「じゅんたは消えへんけど淳太は？消えへんよな？」
紫「……まあ…普通に？考えたら？消えへんやろ？」
赤「今更普通もクソもないやんか」
ふたりで黙っていると動物図鑑をみていたじゅんたが不思議そうに黙りこくって固まっている俺らの顔をきょろきょろと行ったり来たりして、いたずらっぽくほっぺを小さい指で押されて思わず吹き出した。
赤「〜〜〜〜っもう、お前はかわええなぁ！」
「やーだー！はなちて！」
赤「やーだよー！離さへんよー！」
「はまちゃぁああああん」
紫「じゅんたぁああああ」
黄「……えっ、うるさっ」
全力でふざけていると背後から冷ややかな声色が飛んできて振り返るとパジャマ姿の淳太がうんざりしたようすで立っていた。顔色はすっかりよくなっている。
「じゅんた！」
赤「おま…体調は！寝てへんでええんか！？」
黄「まだ微熱やけど寝過ぎて身体だるいねんもん」
しげちゃんの腕が緩んだ隙に逃げ出してきたじゅんたを受け止めながら、淳太の額に手を伸ばすと指先が触れる寸前のところで横槍が入って空を切る。
赤「……」
紫「……」
赤「たっ、ただの風邪で２日も３日も寝込むなや！人騒がせやぞ！…これやからおじじは…ほんま…」
黄「はぁー？どうせまた勝手に不安になってたんやろ…ったく気安く風邪も引かれんわ」
紫「健康なんはええことやんかぁー」
そんな会話をしている間もしげちゃんは淳太の存在を確かめるように頭の先から足の先までぺたぺたと触っている───あ、そろそろ…
黄「〜〜っだぁ！鬱陶しいなぁ！なんやねん！！」
赤「淳太やぁ〜！」
怒られたのに左目の下に笑窪をつくって嬉しそうにするしげちゃんにじゅんたと「可笑しいなぁ」と驚きつつ、ほんとに嬉しそうにするから釣られてにこにこになるじゅんた。に釣られる俺。
「しげちゃんうれしそうやね」
紫「じゅんたもにこにこやんかぁ〜」
数日後、淳太の言葉を深読みしたり色々考えすぎたしげちゃんが知恵熱でダウンしたのはまた別の話。
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作者名：26 | 作成日時：2021年10月29日 1時
