Holy cow！（JW） (ページ39)

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　ふと流星と目が合う。残るは俺と流星。洋服好きでおしゃれな流星と違ってファッションセンスに自信のない俺…トリは無理だと交渉しようと思った時には流星の手にはじゅんたの小さな手が握られていた。

青「……しげ、お先に」

赤「ちょお待てやー！」

目の前で締められたカーテンが虚しい。
ずっとじゅんたに付きっきりだった俺は流星がじゅんたを着替えさせているうちにコーディネートとやらを決めなくてはならない。色々見てまわるがわからん。

橙「悪ガキやなー！でもかっこええわ！」

桃「韓国のアイドルみたいやな」

緑「俺これ好きやなー！あー！かわいいわー！」

紫「はー……おっしゃれやなー…」

じゅんたの気配を察知して急いで戻ると、アイボリーに黒の幾何学模様がどーんと入ったハイネックのニットに細身の黒いパンツ、頭にはニット帽、ボストン型のサングラスでかっこよくまとめているところにあえてくまのぬいぐるみが縫いつけられたボディバックをプラスすることで大人っぽさのなかに子どもらしさもあって、まさに淳太とじゅんたって感じがする。

赤「この後めっちゃキツいんやけど…」

「しげのきる！」

紫「じゅんたもこう言ってるで」

赤「絶対に可愛い自信だけはあんねんけど…」

橙「ええからはよ行けや」

神ちゃんも言っていたがモデルがいいから何を着せても可愛いことに代わりはないんだけど、コーディネートを組むのはハードルが高すぎるからこれで勘弁してほしい。

赤「ここ開けたらさっきのポーズやで。おっけー？」

「へいっ！」

こそこそとじゅんたと念入りに打ち合わせをしてから試着室のカーテンを一気に開ける。

「がおーーーっ」

橙「はい反則」

青「ずるいわ」

桃「ずっこいわー！でも可愛いねんなー！」

緑「こんなん着せんでも可愛いに決まってるもん」

赤「うるさいなーっ！」

トップスとボトムスを組み合わせるなんて高度な技術を持ち合わせていない俺が選んだのは、フードを被ると頭から背中にかけてギザギザがついていて恐竜に変身できるロンパース。
こいつら褒めてるのか貶してるのかよくわからんっ！

緑「いっちゃん好きなの買うたるわ、どれ？」

「んぅー…えらべへぇん…」

全部買うたる！！！と全員で声を揃えた瞬間、スタイリストがにこにこと笑顔で全然可愛くない金額の表示された電卓を向けてきて一同停止。

「ありがと♡」

この笑顔でプライスレスってことで。