Holy cow！（JW） (ページ21)

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「あっくんあっくん」

　普段はあきと呼びのじゅんたくんがこうやって俺をあっくん呼びして裾を引っ張ってきゅるきゅる上目遣いで見つめてくる時は決まっておねだりがくる。毎回同じ手には引っ掛からへんぞ！絶対に負けへん！と甘やかしてばかりはよくないから心を鬼にするんやけど全戦全敗でもんちに怒られる桐山です。

「あっくんあのねしげおめでとうのひなんやで」

橙「あーせやな、あいつ誕生日か」

「じゅんたねしげにぷれれんとあげたいの」

でもね…と続けてしゅんとうつ向いたじゅんたくんはつむじさえ可愛らしい。けど顔が見たい。目線を合わせるようにしゃがみ込むと小さなおててが顔を正面に向けたまま固定するように両頬を包んだ。

「あっくんおねがぁい」

そう言って小首を傾げる。破壊力抜群のおねだりに呆気にとられていると「だめぇ？」の追撃をもろに喰らって桐山、本日も秒殺で完敗です。

橙「よし、あっくんに任せとけ！」

「えへへっやった！やった！」

２歳にして自分の可愛さを理解しているようなあざとさが末恐ろしいな…と思ったけど末である淳太くんを見ているから妙に納得してしまうし、ぴょんぴょんと超低空のジャンプをしながらよろこぶ姿にちびの時から身体の使い方へたくそやな〜とほっこりする。

橙「そしたらじゅんたくん、これまねっこして」

「やだ！できへんもん！」

橙「あっくんが一緒に持つから、ほれ、よし！」

「わあ！あっくんとじゅんたじょうず！」

青「じゅんた達何してんの？」

「しげのぷれれんと！」

緑「うわっ懐かし！俺もオカンにあげてたわ〜」

青「しげ絶対よろこぶで」

橙「むしろ泣くんちゃう？」

「…えんえんするならやめる」

橙「あー…その方がえんえんしてまうわ」

青「どっちにしても泣くやん」

うれし泣きを知らないじゅんたくんは俺たちが笑っているのを不思議そうに見ていたけど、とりあえず納得してしげにプレゼントすることにしたのか、ふんふんと鼻歌まじりでつづきをやりはじめた。その隙に流星とバトンタッチしてもんちとご馳走作りを開始。

紫桃「「ただいま〜」」

「はまちゃん！！」

紫「あかんあかん、ケーキ持っとるから！」

「…はっ！ケーキ！！」

桃「しげ帰ってきたらみんなで食べるんやで」

すっかりしげの誕生日から崇裕、崇裕からケーキへ意識が移り変わってしまったじゅんたくんを連れ戻すためにみんなでラウンジを飾りつけた。