Holy cow！（JW） (ページ2)

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青「…とりあえず移動せん？」

流星がドアを指差す。一瞬の間は照史の底抜けに明るい笑い声ですぐに埋まり空気が変わったのがわかる。

橙「ほなマネージャーよろしく。淳太くんはまずメイクと着替えやな〜今日の撮影おもろそうやで！」

子供をマネージャーに託し、淳太の返事を待たないどころかしゃべる隙すら与えずにしゃべり続ける照史と淳太が出ていくと引っ張られるようにメンバーが動きはじめる。

赤「……濵ちゃん…おれ…」

紫「なんちゅー顔してんねん、俺らもはよ行くで」

普段はグループのセンター、さっきまでは激昂してたやつと同一人物とは思えないほど情けない顔がこちらに向けられる。まるで母親に怒られて泣き出しそうな子供みたいなしげちゃんの頭をぽんぽんとなでて楽屋をあとにした。

黄「ご迷惑お掛けしました。お願いします。」

　メイクと着替えを終えてスタジオに入るなりスタッフたちに深々と頭を下げて謝罪をした淳太はすっかり仕事モードに切り替えていて撮影と取材をソツなくこなす姿に安心と同時に感心してしまった。

黄「…みんなほんまごめん！」

楽屋に戻ってきた頃、沈黙を貫いていた淳太が頭を下げて「うまく話せるかわからんけど聞いてほしい」と今朝起きたことを話しはじめた。

橙「ちょっと待ってな？」

緑「つまりその子は…」

黄「幼少期の俺。起きたら隣で寝ててん」

しょうもない親父ギャグを言ってみんなを困らせることがあるし、妄想がちでメルヘンチックなとこがあるとはいえど、やっとしゃべった思ったら何を言い出すんやこの子は…まだ隠し子のほうが納得できるっちゅう話やで。

赤「信じられるわけないやろ」

黄「…せやんな」

しげちゃんの鋭い言葉に淳太は弱々しく笑うとすぐに俯いてしまう。可哀想だけど俺もしげと同意見。

桃「淳太が嘘ついてへんのは理解してんけど、あまりにも非現実的すぎて理解できんというか頭が追いつかんというか…消化不良起こしてんのよ」

そう！それ！と望の言葉におおきく何度も頷く。

紫「それにしても……可愛いな」

ソファで眠っている幼少期の淳太(仮)の寝顔をぶすくれたしげちゃんを除くみんなで囲むようにして覗きみる。子供の寝顔は無条件で愛おしい。

マ「みなさんこのままでいいので聞いてください」

今日はじめての和やかな空気がながれる中、事務所に現状報告をしていたチーフマネージャーが電話を終えて戻ってきた。ごくりと固唾を飲む。