稲荷崎高校二年一組の辛辣ロボット

ロボットの自己紹介 ページ12

「そろそろ時間やな」



そう言って北さんが部員を集めだす。


おお？帰れる？帰れる？？すすすと出口に移動しかけるも、




「ついでにマネの仕事やってき」


と引き留められた。



「いや私やるとか言ってないです」



なぜか入部したみたいな感じで言われた。強引か。



「ええやん、やってみるだけやってーや、な？」


「嫌です。それにこれ以上ここに居ると女子の視線で死にます私」


「視線で死ぬんか攻撃力高すぎやな。ええやん？」


「何がええんですか」



私が死ぬことか。



「ほな、始めるでー」


「あっ…！」



北さんが勝手に部活を開始した。

出ていくタイミング完全に逃した…！



「…えっとあんた名前は？」



そういや自己紹介すらしてなかったな…

ていうか名前も知らない人を誘えるのがすごいよ。




「吾妻A、です」


「そうか。俺は北信介や。男バレの主将」


「えっ主将？」


「おん、そうや」



先輩だとは思ってたけど主将だとは。


主将ってあれだよね部長？キャプテン？そんなとこだよね。




「謎の確かに感」


「なんやそれは」



なんだろうオーラが主将ですって言ってるみたいな？感じ？かな？肯定しかできない。



「侑、ドリンクの作り方教えたり」


「うっス」

「え」

「ほな行こかー」

「行きません」



しかし、運動部(バレー部)の力に私の細腕では敵わない。


片腕で引きずられる私の体力の無さ…



「離してください」


「着いたら離したんで〜」


「それじゃドリンク作らなきゃじゃないですか」


「え、作らへんの？」


「私マネージャーやるって一言も言ってませんけど」


「せやからやるだけやってみーって」




そうしめなぜか私はナル宮くんになだめられるようにして体育館を出た。



出る瞬間に複数の舌打ちが聞こえたのは聞こえなかった事にしよう。



同じ人種なのになぜにこうまで違ってしまうのだろう。


一生分かりあえなさそうだ。

ロボットのドリンク→←ロボットのガチギレ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す