テン ページ11
侑「せや、その名も貴嶺Aファンクラブ」
治「まんまか」
侑「なんでも貴嶺を秘密裏に守る親衛隊なモンやとかなんとか」
A「いや何から守んねん。うち別に追われてる身でもなければ、どこぞのお嬢でもないねんけど」
治「まあ確かにお嬢っぽくないな」
A「せいっ」
治の脇腹を小突く。治が「何すんねん」と脇腹を押さえる。そこはお世辞でも「そんなことないで」とか言うとこやろ。
侑「何からて……そんなん一個しかないやろ」
「ああこの場合は人か?」と疑問系に訂正する宮くん。…そうなん?
A「え、全然分からん。治分かる?」
治はパンをごっくんと飲み込むと「…まあ?」と答えた。あれ。分かっとらんのうちだけ?
侑/治「男子からや/男子からやろ」
二人は口をそろえてそう言う。
A「…ホンマに言うとる?」
二人は顔を見合わせて「逆にある?」と首をかしげる。
いやいやいや。まてまてまて。
A「なんで男子なん?男子はうちに興味ないやろ」
やって告白してくんの女子ばっかりやし。男子から告白とか皆無やし。
侑「それがお前のファンがやっとることや」
……ほう?
侑「端的に言うとお前のファンがやっとることは二つ」
宮くんがぴっと二本指を出し、ピースマークを作る。
侑「一つはお前に近寄る男子を追い払う」
ほうほう?
侑「もう一つはお前に近寄る女子に制裁を下す」
…ほうほう?
A「うん、なんで?」
うちそんなことやってとか頼んだ覚えは全くない。
侑「んーたぶん、一軍女子の誰かが、お前を誰かのモンにしたないんやろ」
A「うちは物か」
侑「まあそれくらいお前のことが好きなんとちゃう?」
…なんちゅーか、複雑な気分。
いやまあ?うん好意をもたれることは嬉しいで?でもさあ…
A「なぜそんなことをする」
仲良くなりたいんなら、話し掛けてや。
やりかたが回りくどすぎて引き篭もるとこやったわ。
侑「まあそんだけお前は人気あるてことなんやろ」
A「ううん。なんか上手いこと丸め込まれた気分」
侑「でもまあ理由分かってスッキリしたやろ?」
A「まあ…?…で、うちはどないしたらええん?」
侑「さあ…?好きなようにしたらええんとちゃう?友達作るなり、彼氏作るなり」
A「かれ…っ!?」
聞きなれなさ過ぎる単語に動揺する。
侑「お前の意思で作った彼氏なんやったら、誰も文句は言わんやろ」
いやそんな軽く言われても、うち自分から告白とかしたことないし。
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結心(プロフ) - こころさん» ありがとうございます!読んでいただいて"面白い"と思ってもらえるのが1番嬉しいです!私も稲荷崎が好きです! (2019年7月26日 18時) (レス) id: 329f25863c (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 自分稲荷崎が好きでいろんな小説見してもらいようけどこれ面白いです!続き楽しみにしてます (2019年7月23日 21時) (レス) id: 9d28606b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結心 x他1人 | 作成日時:2019年6月8日 13時