そばにいた (ページ25)

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すっげぇ情けねぇって分かってる。

ただ、嫉妬に狂って

今度は、母さん達やAに何かされるって思うとびびって。

甲斐「俺がバラしたらっ…

俺の家族が…っ、

Aがっ…！！」

ただ、苦しかった。

いままで守ってきたつもりの人を、守りきれない無力さが、苦しかった。

『…私はまた、守られてたの？』

この時間で初めて、Aの声を聞いた。

『ずっと、甲斐を傷つけたまま守られてたの？』

『…ふざけないでよ！！！！！』

途端に、俺の胸ぐらを掴んで叫び出す。

こんなA、初めて見た。

『何なんだよ、初めて会った時も勝手に助けやがって、私はずっと1人でよかった！！！友達なんていらなかった！！！』

『友達なんて…いらなかった、甲斐が……隼人があの時私を見つけてなかったら私はこんなに苦しむことは無かった！！！！生きたいなんて思わなかった！！！！』

涙を流しながら紡がれていく言葉はとても寂しくて、悲しくて、痛かった。

『今だって昔となんも変わらない！！ずっと死にたいって…でも隼人が現れたから、生きたいって…負けたくないって…！！！』

…薄々気づいていた。

まだ暴力を受けていることを。

だって首その痣、昔なかったじゃん。

『…ずっとそばにいたのに、おばさんのことも、ダンスの事だって何も知らなかった！！！』

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『ずっと…そばにいんだよ…?』

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そこまで言うとAは涙を流しながらその場に座り込んだ。

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