そばにいた (ページ19)

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「だったらテメェが相手んなれ。」

柊「…あ？」

甲斐とぶっきーの低い声が教室に響く。

甲斐「誰が動画いじったか知りてぇんだろ？お前が勝ったら洗いざらい吐いてやるよ。但し、俺が勝ったら……
全員を解放しろ。」

甲斐の言葉に息を呑む。

今までの状況を見ると、甲斐に勝ち目がないことなんて一目瞭然だ。

ぶっきーは、強い。

柊「これまでの戦歴を見れば、

お前が勝てる見込みはなさそうだけどなぁ？」

甲斐「調子悪ぃんだろ？さっきから脂汗かいてんぞ。」

私の位置からはあまりちゃんと見えないけど、

確かに顔色はいいとは言えない。

甲斐、なんでそこまでして答えることを拒むの？

何が甲斐をそうさせているの？

甲斐「今のお前なら猿でも勝てる。」

柊「……いいだろう。お前に勝ってフェイク動画の真相を暴いてやる。」

先に蹴りをいれたのはぶっきーだった。

甲斐も決して弱いわけではない。

柊「攻撃のリズムがいいねぇさすがダンス経験者！」

甲斐「…っ、馬鹿にすんじゃねぇ！」

ダンス経験者…。

確かに甲斐、一時期毎日のように踊ってたなぁ。

いつの間にか、踊る姿を見なくなったけど。

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