そばにいた (ページ14)

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ごめんさくら先に戻ってて。

こんな顔でさすがに戻れないからさ。

そう言われたから私は1人で教室に戻ろうとした…

けど、廊下では逢沢くんと宇佐美さんが話していた。

甲斐くんが過去に起こした傷害事件の事だった。

逢沢「景山が不良グループに攫われそうになったところを甲斐が助けたんだ。」

…あの甲斐くんが？

って思ったけど、さっきのAちゃんの話を思い出したら、そっちが本当の甲斐くんなのかなぁとか思ったり。

もしかして、Aちゃんはこの傷害事件のことも何も知らないのかな。

逢沢「景山は、凄い甲斐に感謝してたよ。」

私は宇佐美さんの静止も聞かずに咄嗟に走り出した。

辿り着いた先は、甲斐くんの目の前。

さくら「甲斐くん、その節は澪奈を助けてくれてありがとう。」

甲斐「……は？」

さくら「甲斐くん、前に澪奈が攫われそうになってるところを、助けてくれたんでしょ？
澪奈があなたのこと、恩人だって。」

甲斐「…だったらなんだよ。」

目を合わせてくれない、

本当の甲斐くん…Aちゃんが知っている甲斐くんは、どんな人なんだろう。

『そんな甲斐くんが、澪奈を陥れるための動画を撮らせたなんて思えなくて。
何か、理由があったんじゃないかって。』

甲斐「そんなもんねぇから。」

と足早に立ち去ろうとした。

さくら「私たちでよければ、相談乗るし、力になれることがあれば協力するから！それにAちゃんだってきっと、話して欲しいって思ってる。」

甲斐「何言ってんだよ。何も知らねぇくせに…。首突っ込んでくるんじゃねぇよ。」

「…だったら話してよ！何も知らないからみんなどうすることも出来ないし、話してくれれば分かることもきっとあると思うから！」

甲斐くんはこちらを向くことなく、教室を出ていってしまった。

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