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すっかり機嫌のいい紫耀は夕ご飯の準備を率先してやってくれた。
お母さん以外の誰かと一緒に台所に立つことなんてなかったから、なんだか楽しくて。
紫耀がありえない幅ににんじんを切ったことも許してあげた。
「おかーさんたちびっくりしちゃうね、旅行から帰ってきて俺たちがこんなに仲良くなってたら」
「そうかもね」
気付けば、今までなんでこんなにカリカリしてたんだろうって不思議に思うくらい私は自然と紫耀を受け入れていた。
一緒に作ったご飯をたべて、
デザートのアイスじゃんけんをして、
勝った紫耀はチョコを選んで私はバニラを。
テレビを見ながら話をして、
紫耀の変さに笑って、最初は拗ねてた紫耀も私が楽しそうなのをみて笑う。
「紫耀って、いつもあんな風にお弁当くれる子がいるの？」
「うん？あー、たまにだけど」
「そうなんだ、紫耀ってやっぱりモテるのね」
「やっぱりってなに」
「今日友だちが言ってたから」
なにそれって笑ってたけど、嬉しそうなのを隠しきれてないな、こいつ。
こういうとこだなあと思う。紫耀は素直な人だ。
だから敵をつくらない、だからみんなに愛される。
「ねぇ、チョコ、ちょっとだけちょうだい」
テレビを見ながら呼びかける。この数時間で、昔からずっと一緒にいたみたいに私は案外簡単に紫耀に心を許していた。
「…」
「ねえ、紫耀ってば」
紫耀をみると、わたしの言葉は耳に入っていないようでスマホに目を落としていた。口許緩んでとても優しい顔。
「…チョコレートもーらいっ」
「あっ！」
スキありでアイスを奪った。ようやく紫耀の意識がこっちへ戻ってきた。アイスの取り合い。
そして、うすーく気付いてしまった。
だから、あくまでなんでもない風に聞く。
なんでもない風に。
「紫耀ってさ、」
「うん」
「カノジョ、いるの？」
言葉をいくつか準備する。
「え！なんでわかったの！？」
目をぱちくりしながらすごいねって。
「うん、いるよ！」
彼はさっきと同じ、優しい顔でそう答えた。
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
