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私は今、すごく緊張している。
そして、手には2人分の弁当。
朝、平野くんを先に家から出した。
「一緒に行こうよ〜」とかいう彼を無視して背中をぐいぐい押しながら無理やり玄関に。
平野くんが自転車に乗ったのを確認して、
自分も家を出ようとしたとき、悲劇は起きた。
「…あいつ、弁当忘れてやがる」
直前に持たせた弁当が玄関の棚にちょこんと。
戻ってこい、と連絡しようとして気付く。
「わたし…平野くんの連絡先、知らない」
結局、嫌だ嫌だと思いつつ、2人分の弁当を持って登校した始末。おかげで朝から緊張してなんなら少しお腹が痛い。「ばれたらどうしよう」の言葉が脳内をマラソン中、ずっと。
ついにきた、お昼休み。
となりのクラスに行こうかどうか迷って
重い腰を上げたとき、ちょんちょんって肩を突かれた。
「…っくりしたあ…」
「あは、なにその反応笑
Aごはん食べよ？」
緊張状態過ぎて、過敏に反応してしまった。
いつも一緒にお弁当を食べるすーちゃんは私の緊張とは裏腹にケタケタ笑っている。
「てか、さっきからAのこと呼んでるけど」
すーちゃんの指差す方を見ると、
「A！A！」
小声で私に手招きする平野くんが見えた。
きゃー！今まで生きてきた中でいちばん俊敏な動きで平野くんのとこまで走る。慌てて手で平野のくんの口を塞いで、社会科準備室へ。
「ごめんって、弁当忘れてきたの今気づいて」
「内緒っていったじゃん！」
「それにしたってひどいよA
あんなに慌ててたら逆に怪しいっしょ」
無言で弁当を渡したら、
平野くんはぱああっと笑う。
「A冷たいように見えて実は優しいよね」
「うるさいよ」
「だって、俺と話したくなかったら弁当持ってこなきゃよかったのにわざわざ届けてくれるでしょ
なんだ、優しいじゃんA〜」
平野くんの手がわたしの頭に伸びる。
触れた部分が少し、あつい。
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
