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さらに急展開が起こったのは、
気持ち悪い発言の数日後だった。
「A、俺別れてきた」
帰ってくるなり、紫耀はその言葉を
皿洗いをしてる私の背中に投げた。
言葉の意味を理解して振り向いたら、
紫耀はもう自分の部屋のドアをバタンと閉めたときだった。
勝手に言ってきたくせに、私の反応はいらないのか。
というか、衝撃。
紫耀の部屋のドアをじっと見つめる。
俺別れてきたと言った紫耀の声が
空中をぷかぷか泳いでる。
「紫耀」
部屋の前で声をかけてみる。
返事がない。
「紫耀」
だめだ。私無視されてるんですけど！
「お腹すいてる？」
これも無視。と思ったらキィっとちょっとだけ扉が開いた。紫耀がひょこっと顔を出す。
「何かつくってくれるの？」
「何が食べたい？」
「ぬれおかき」
「それは自分で買ってこい」
誰が一般家庭で米からぬれおかき作んのよ。
けどまた扉が閉まりそうになったから、慌てる。
「まってまって！
ぬれおかき以外なら考えるから！」
「なに、慰めてくれるの？」
挑戦的な目がこちらを見る。
背中がびくってなった。でも。
「うん、私にできることなら」
そういうと紫耀はゆっくり部屋からでてきた。
泣いてるかな？って心配してみたけど、
そんな様子はなかった。
悲しくても泣かないタイプか？
まあそれにしても気になることはたくさんある。
今すぐ質問攻めにしたいけど、
さすがに今日は…と思ってたら、
自分から話し出した。
紫耀が座るとなりにちょっとだけ感覚を空けて私も腰を下ろす。
「俺から、別れよっていった」
「そうなんだ」
「俺、自分でも最近よくわかんなかったし
ユリのこと好きなのかどうかとか、自分の気持ち
そういうのってダメだなって思ったから」
それだけ言うと紫耀は黙った。
そのくっきりと筋肉が浮かび上がる腕も
太い首も前髪に隠れて色っぽく見える表情も
ぜんぶぜんぶオトコノコだけど、
目の前にいる紫耀はなんだかか弱く見えて、
そっとその光に透けた茶色の髪の毛に触れた。
「…慰めてくれんだよね」
彼が髪の毛に触れた私の手首を掴んだ瞬間、
ぐいっと引き寄せられた私と君の距離は。
「ごめん、今だけ」
私の肩に額をついた紫耀、
ふわっと香るバニラの匂い。
続く (更新停止中)
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
