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案の定、夏休みは暇だった。
お昼まで寝て、適当なごはんを食べて、やっぱりテレビを見て過ごした。
廉くんに打ち明けて以降、
私が一方的にちょっとだけ意識してる。
寝起きとかお風呂上がりの色っぽい紫耀とは
なんだか目が合わせられなくなった。
となりの部屋から電話の声が聞こえる夜は
イヤホンをして周りの音を遮断したり。
つまり、認めてしまったがため、
私は兄弟が好きとかいう昼ドラ設定の生活を送ることになってしまった。これはつらい。
何がつらいかと言うと、とりあえず罪悪感。
だから一日の大半を部屋で過ごす。
紫耀と一緒にいるとなんだか悪いことをしてる気がするのだ。好きなのに避ける。好きだから避ける。
「Aー！」
だけど、そんな私の気も知らない紫耀は
無邪気に私の中にずかずか入り込む。
「今日、スーパーでガラポンの日だよ！
Aレシート集めてたじゃん、行こうよ！｣
「レシートあげるから紫耀が行ってきたら」
部屋のドアを開けずに返事。
今日はまだ紫耀の顔を一度も見てない。
「おい、冷たいなあ！
俺は！Aと行きたいんだけど！」
ほら。人の気も知らないで。
って紫耀は何も悪くないんだけどね。
でもこんなこと言われると
「やっと出てきた
つかパジャマ早く着替えろよ」
私は紫耀に弱い。
久しぶりに紫耀と外を歩いた。
夏特有の生ぬるい風が足にまとわりつく。
でもなんか、嫌じゃない。
「夏休み予定ないの？」
「うん、たまにすーちゃんに会うくらい」
「へえ、暇じゃん」
「暇だよほんと」
「あれは？花火大会」
「あー…行く」
「すーちゃんと？」
言葉につまる。
廉くんと、って言ったら紫耀はどう思うかな。
「もしかして、彼氏とかいんの？」
「…いないよ」
「じゃあ廉、とか？」
何も言わない私をみて
珍しく紫耀は察したみたい。
「なぁんだ、Aも恋してんじゃん！」
お兄ちゃんが妹の成長を見守るみたいな表情しないでよ。私はまた、勝手に傷ついた。
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
