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紫耀の彼女を見かけたのは初めてだった。
つやつやのボブにきゅるるとした瞳。
唇もピンクのぷるぷる。
「ザ･おんなのこって感じやな」
廉くんの言葉に頷く。
私勝てるわけない…。
勝てるわけない？今なんでそんなこと思った？
「A！あ、廉もいる」
「おい、オマケみたいに言ってくれてんな！」
彼女がペコって頭を下げる。
少し紫耀の後ろに隠れるようにして。
かわいいかよ。
「あ、ユリだよ、俺の彼女」
紫耀が柔らかい顔をした。
ユリちゃんはまたぺこり。
「AAです、紫耀の双子…って知ってるよね？笑」
「はい、紫耀くんから聞いてます」
ユリちゃんは近くで見ると余計に可愛かった。
なんとなく、言葉に詰まった。
「じゃ俺、ユリ送ってくるから
廉またね！
あー！A、俺、夕飯はカレーがいいかなあ」
ユリちゃんがいる手前、返事がしづらかった。
彼女はどう思っているのだろう。
家族といえど、ちょっと前まで他人だった女が彼氏と一緒に住んでるのは。
「A、顔バレッバレ」
「え？」
「なんちゅー顔してんの」
「私、今、どんな顔してる？」
「傷つきましたって顔」
今まで見ないように気付かないように。
そんなふうに自分を守ってたんだろうなあ、私。
「今まで自分で気付いてなかったん？」
「気付かないふり、してたのかも笑」
廉くんは何も言わなかった。
いつもだったら茶化してくるのに。
こんなときに限ってなにも言わなかった。
「廉くんはいつからわかってた？」
「…数学の授業でAが好きな人いないって言ったときも
俺がAの家の前で初めて紫耀に会った時も
Aは今と同じような顔してたん見たら気付かないわけないやん笑」
「そっか」
「紫耀、好きになる気持ちは俺もわかる」
だってかっこいいやんって廉くんは笑った。
「仕方ないな」
廉くんがぱんぱんって手を叩く。
「花火大会、俺と行くかあ！」
「え！やだよ、女の子たちに嫉妬されちゃう」
「Aに拒否権ないわ！
俺が行くって言ったら行く！はい、決定」
そう言うと、廉くんはじゃ！って帰って行った。
…と思ったら彼は振り返った。
「浴衣、絶対な」
夏休みの予定がひとつ、できた。
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
