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ウワサの少女漫画くんがうちの学校にやって来てから告白場面を見ない日はなかった。
毎昼休み、毎放課後、いつも誰かに呼び出されている。それもあってか、廉くんはほぼ毎授業寝ていた。疲れるよね、うんうん。
「じゃ〜この問題は、永瀬！」
数学の授業で廉くんが指名されると、
彼はあたかも起きてましたよ風に反応する。
すました顔で「はい」なんて言っちゃって、
むしろ私の方があわあわとしていた。
どうするの、と思っていたら
彼はチラッと子犬みたいな瞳で私をみた。
小声で少しだけ助け舟を出す。
「あ…これ、今、廉くん当てられてるの問2」
「うおー、サンキュ
俺めっちゃ寝とった！」
「でも私、数学苦手で答えはわかんないんだけど…」
「ありがと、大丈夫、笑 まかせろっ」
すると、彼はスタスタと黒板の前に行き
流れるようにさらさらっと問題を解いた。
先生は廉くんの書いた答えに大きな丸をつける。
寝起きとは思えないスピードで問題を解いて、
私にブイサインを送りながら帰ってきた。
この人、頭も良かったのか。
「すごいね、寝てたのに」
「Aのおかげで怒られずにすんだわ、
ありがと」
いひひって笑う。あ、女の子たちがこぞって廉くんに告白しちゃう気持ちがちょっと分かったかも。
「なに見つめてんの、俺のこと」
「なんでもないよ笑」
また寝る体勢に入ろうとしてる廉くんが
上目遣いでこちらをみてる。
「廉くん、モテるから疲れて授業寝ちゃうんだろうな〜って思ってた」
「なんやそれ笑」
そこうるさいぞって先生に注意された。
お互いに肩をすくめて笑う。
廉くんが私のノートに何かを書く。
ー Aは好きな人おらんの？
好きな人…
ー いない！
ー おるって顔しとるで
びっくりして廉くんを見ると同時に授業が終わるチャイムが鳴った。
「俺のこと好きになってもええよ！」
「アイドルみたいなこと言ってる笑」
「もうアイドルみたいなもんやろ笑」
「たしかに…」
「いや、ツッコめや！恥ずかしいわ」
ふたりで笑っていたら廉くんはまた女の子に呼び出されていった。すごいなほんと。
廉くんに好きな人を聞かれて浮かんできた人は…
「ぜったい、違う！」
思いっきり首を横に振ってふと出てきた"紫耀"の2文字を打ち消した。
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なめこ(プロフ) - こころさん、こんばんは！お話を読んでくださってありがとうございます´`*うふふ、紫耀くんと廉くんの間でたくさん揺れちゃってください〜！これからもよろしくお願いします (2021年4月21日 20時) (
レス) id: 7eda94a468 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - すごくすごく面白いです。言葉選びや言い回しも面白いです！主人公が好きな紫耀くんとハッピーになって欲しいけど、廉くんが優しすぎていい人すぎて悩んじゃいます… (2021年4月16日 1時) (レス) id: f2c5e943bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なめこ | 作成日時：2021年4月5日 1時
