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memory 175 美久ページ5

考え込みながら歩いていたらいつの間にかキャラバンに着いてしまった

隣に莉桜ちゃんが居ることも忘れて何やってんだか…

でもキャラバンは電気が着いてなくて
誰もいる気配がなかった

莉「どうします？」

美「うちの推測が当たっていれば
　多分皆は…」

莉桜ちゃんの頭にクエスチョンマークが出てきた

美「とりあえず行こう？」

莉「は、はい…」

そうしてちょっと歩いたら
ボールを蹴る音が聞こえてきた

じっとしていられないのかもね

莉桜ちゃんがうずうずしてきた

美「先に行ってていいよ？」

莉「あ、じゃあ、お言葉に甘えて…」

そう言って莉桜ちゃんは
ちょこちょこと走っていった

ドリンクとか用意した方が良いのかな…

そう仕事のことを考えていたら

ワンダバちゃんと
しゃがんでいる音琉ちゃんを発見した

ワンダバちゃんは少しオロオロ気味

美「ワンダバちゃん、どうしたの？」

ワ「ち、ちゃん！？」

あ、つい心の中での呼び方で呼んでしまった

でもいっか、慣れてもらおうっと

ワ「ｺﾞﾎﾝでは、後は任せた」

そう言ってぴゅーっと走っていった
ワンダバちゃん

でも二人だけの方が話しやすいから
有り難い、かな？

うちはそっと音琉ちゃんを抱いた

無視を貫こうとしていたのか
ビクッと驚く音琉ちゃん

美「我慢しないで」

今出てくる言葉の中ではこれがしっくりくる

涙を抑えようと頑張ってたけど
泣いてスッキリすること、よくあるからね

思いっきり発散してもらいたいと思った

不意に歌いたくなって頭の中を探ると
これまたしっくりくる曲が見つかった

子守唄のように優しい旋律で

この想いが届きますように…

…
歌い終わる頃には落ち着いたようで
声をかけられた

ゆっくり腕を離すと

音「あの、ありがとう…ございました」

美「いいえ、こちらこそ」

そう言ったらビックリされた

音「なんで…？」

美「そりゃ、音琉ちゃんの心が垣間見れたから
　また泣きたくなったらうちのとこにおいで？」

いつでも待ってるから

そう言うとまた泣きそうな顔になったけど
ふいっと顔を背けた音琉ちゃん

そして、皆のところへ戻って行った

…
正直、押し返されると思ったけど
意外と素直で良かった

一歩でも音琉ちゃんに近づけていれば
良いんだけどな…

練習してる子が多数だったから
ドリンクとタオル用意しに行こうかな

よぉーし、頑張ろうっと！