依存病人【d!】 (ページ27)

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しかし、予想していた痛みと衝撃は来ない。かわりに肩と背中に温かい何かが当たった。
同時に少しの浮遊感が襲うと、瞼越しに眩い光が広がった。

「あっ、ぶなぁ……!?」

Aがゆっくりと目を開けると、焦りと多少の安堵の色が浮かんだシャオロンがAをのぞき込んでいた。眉は垂れ、眉間にはしわが寄ってじわりと冷汗もにじんでいる。Aの体を上から下まで隈なく見やるとどこにも新しい怪我がないと分かり、Aが床につかないよう気を付けながら抱えたまま床にへたり込んだ。
Aは目をぱちくりさせながらも、一応助けてもらったのだからとお礼を言おうとした。

「あ、ありが」

しかし、突然声を荒げるとそのままベッドにAをおろす。すぐさまパッと手を放すと頬に手を当ててしゃがみ込み、湯気が出るほどに顔を赤く染めた。

「わ”―!!!!さ、さわった…人間に、人間にさわってもらったー!!」

しばらくの間、きゃいきゃいと騒ぐシャオロンを呆然としながらAは眺めていた。

「…!!」

しかし突然動きをやめると、どこかぎこちなく腕を触ったり組んだりを繰り返している。もじもじと体を揺らしながら気恥ずかし気に組んだ手の指先を弄ってうつむくシャオロン。
一度大きく深呼吸をして上を向くと、Aの方に素早く顔を向けた。

だが、そのまま数秒の間微動だにせず固まると先程同様うつむいてしまった。そんな奇怪な動きを何度か繰り返すと、ようやくそっぽを向いてだが腕をさすりながら口を開いた。

「…A、やった、よな…」

「は、はい…」

シャオロンはすうっ、と息を深く吸い込み頬は赤らんだままだが、真剣な眼差しでAを見つめた。

「俺…」

「ちゃんと、お前のこと…守ったるから…！！」