依存病人【d!】 (ページ20)

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温かな光となってシャオロンを包み込んだ。
手足の先まで熱を持った血液が巡りじんわりと熱が侵食していく様子が、かじかんだ時に温まるのと酷似していた。

その余韻に浸っていたシャオロンは口元を緩めてゆっくりと目を開ける。

刹那、冷水に打ち付けられた様に温かさはかき消され、代わりに背筋に冷たいものが走り酷く手が震えだした。
シーツの皴によってできた影の奥に次第に沈んでいく、そんな気がしてベッドから転げ落ちるようにして逃げ出した。

「...あ、う…A、ごめっ...!!」

首を掴んでいた手が赤黒く染まっているように見えた。手の中から、何かが蠢くような感覚にシャオロンは顔を引きつらせて嗚咽をこぼす。

目頭が熱くなり、目の前に映る景色が歪み始める。途端に呼吸が苦しくなり今度は自分の首を絞めるように手を添えた。

なんてことをしてしまったんだ。

今更謝ったところで無駄なことだと分かっているのに、次から次へと謝罪の言葉が地面へとこぼれる。

震えて使い物にならない足を引きずり這いつくばりながらAの寝ているベッドの足を掴み震える足腰に鞭打ってなんとか立ち上がる。

いつの間にか意識を飛ばしているAを一度抱き上げると胸元に耳を当てた。

熱を持つ柔らかな感触の奥から鼓動が響いてくるのを確認すると、しゃくり上げていた声は収まり表情が少し和らいだ。

「...生きとる」

安心したのか、抱えたまま自らもシーツの上に寝転がると、布団とAの間に潜り込み胸下辺りに顔を埋めると共に眠りについた。