28 ページ28
隆弘side
「まじうめぇ！」
大袈裟なんて笑いながら美優は言うけど、啜った味噌汁が体に染み渡ってく感じ、本当に久々すぎる。
相変わらず少食な美優は、トーストを４分の１とバナナとヨーグルトに牛乳
それだって時間を掛けてゆっくりで、ごちそうさまのタイミングは俺と差ほど変わらず。
片付けて部屋に戻ればマッタリモード。
膝の間にちょこんと座る美優を抱き締めながら全然話せて無かった最近の事を一人で喋り続けてると
楽しそうに笑ったり、相づちうったり。
くるくる変わる表情に、こうやって居られる時間が俺に取っては何よりも大切で、ｽﾄﾚｽ発散と癒しを兼ねてる。
それから話しは、卒業式の事になって、同じ日だから見に行く事も出来ないのが残念で仕方ないって言う俺に、保護者見たいって大笑いされた。
せめて終わったら一緒に居たいし制服姿を見れるのも最後だし一緒に写真撮ったりしたいなってそう思って…
「なぁ、卒業式の後待ち合わせしよう。」
「ぇっ？友達は？最後の日だよ？会えなくなっちゃう人とか居るんじゃないの？」
「まぁ、居るっちゃ居るけど、男同士たぜ、一緒に泣く訳でも無いしな…。きっとじゃあまたなって感じだよ。」
「そうなんだ…。私は、駄目…多分泣いちゃうしバイバイなんて出来ないかも。」
切なそうに話す美優。
こんな情けない顔するなんて滅多にない、けど、それだけみんなの事大切にしてきたんだろうな。
多分いや、絶対に泣くし…。
「終わったら迎えに行くよ。」
「ぇっ？いいよ。平気、平気。多分時間掛かっちゃうと思うし…。」
「だからだよ。泣き虫を一人で帰らせたくないから迎えに行くですー。」
「んん。でも、ほんとに先に帰ってて良いよ。終わったら連絡する、それに、結愛も紗愛も駅まで一緒だし。」
なんかシックリこない言い方、言ってる事は分かるけど、違和感を感じるんだよな…
違和感の正体は分からないけど、まぁ最後の思い出を邪魔するのも良くないかなって、渋々納得するしか無かった。。。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 85人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayu | 作成日時：2019年1月29日 22時
