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隆弘side
目的地の海見える公園。
座れるスペースのある芝生エリアは、公園の奥で、
入口には、少しの遊具と小さな噴水がある。
西「ここで良かった?」
「うん。海好きだし、皆とよく来るんだ。」
西「そうなんだ。俺もよく来るよ。」
「そうなんだ。じゃぁ、何処かで
会ってたかも知れないね。」
そう言った美優ちゃんの瞳はキラキラ輝いてて、
潮の香りを吸い込む姿に本当に海が好きなんだなって…。
「波見てるとね、嫌な事とか洗い流して
くれる。そんな、気がするんだ…。」
西「嫌な事?」
「ん。例えばだよ?」
そう微笑む横顔は、儚げで、あの日駅で見た
美優ちゃんを思い出した。
芝生エリアに着くと早速シートを引いて、カバンを角に置いた。
シートの上に体育座りをして、スカートを抱える姿に堪らず膝掛けをかけた。
「ごめんなさい。このためだったんだね。」
西「誰にも見せたくねぇじゃん(笑)」
「ありがとう。。。」
゛抱き締めてもいい?゛って了解を取ってから後ろに回り込み腕の中に収めた。
「隆弘クンは、暑くない?」
西「俺は平気。美優ちゃんは?」
「ふふ。大丈夫。」
そこからは、沢山話をした。
お互いの友達の事、家族の事、好きな食べ物、
苦手な科目。
けど、あの日の涙の意味は聞けなかった。。。
暫くすると奥の噴水から、音楽が流れて居るのが聞こえた。
西「美優ちゃん噴水から音楽聞こえるけど、
行ってみない?」
「うん。行きたい。」
満面の笑みを浮かべる美優ちゃんと、カバンだけを持ち手を繋ぎ噴水に向かった。
この公園の目玉、時間によって噴水と音楽のコラボが見れる、夜になるとそれにイルミネーションが
プラスされるんだ。
二人でその光景を見ていると、騒がしい集団が
こちらに向かって歩いてくる。
美優ちゃんと、同じ学校の制服。
そのぐらいにしか思ってなかったら、その中の
一人がこっちに向かって歩いてくる。
?「美優じゃね?」
「………。」
西「美優ちゃん知り合い?」
?「あんた美優の彼氏?」
西「そうだけど、何?」
?「俺、そいつの元彼の友達。そいつさぁ、
思わせ振りだから、騙されない様に
気を付けな!」
西「何でそんな事言われなきゃいけねぇの?」
「隆クン気にしないで…。ごめんなさい。。」
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作者名:ayu | 作成日時:2018年9月25日 18時