CODE.5_往生際のシリウス ページ7
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タイミングとはそれ次第で運命を大きく変えるものだ。明智Aもまた、それに人生を変えられた人間の一人であった。
「この子は明智A、本部所属のA級隊員だよ」
「ほう、A級隊員」
宇佐美に紹介された彼女は、前から刺さる3人の視線に居た堪れないと言った様子でどうも…と小さく返事をした。それに対して3人__修、遊真、千佳もぺこりと頭を下げる。
どうしてこうなったと思うも、ただ迅から約束通り玉狛に来いと連絡があったから来たのであって、それはつまり彼の計算通りだと言うことだ。
『私出直して』
「待てA、まだ来て3分しか経ってないぞ」
この時間にお客がいると思ってなかった彼女は、先程まるで我が家のように意気揚々とドアを開け放ったばかりであった。しかも3人は先程玉狛で部隊を結成したと言う。
いよいよ自分だけ場違いな空気に限界を感じて逃走を図るが、それは後ろから伸びた迅の手によって叶わなかった。
『迅さん私ここにいる意味ある？』
「あるある。ほら、約束のコーヒー牛乳あげるから」
流されたなと思いつつ、差し出されたコーヒー牛乳をしぶしぶ受け取り彼女はもう一度ソファに腰を落ち着けた。
その隣に迅も腰を下ろし、さて、と前置きをする。
「まずこいつ、Aは宇佐美が言ってたように本部所属だけど…まあ半分くらい玉狛みたいなもんだから3人のこと先に紹介しとこうと思って」
『一回も玉狛に所属したことないよ』
「気持ち的な問題だよ。んで、そこのメガネ掛けてるのが三雲修くん、その隣が雨取千佳ちゃん、最後にそっちのが__前に言ってた
迅の言葉にAは遊真を一瞥してから一瞬首を傾げたが、すぐに視線を逸らしてそれで玉狛かぁとひとりごちた。それから遊真や千佳の過去と部隊結成に至るまでの経緯も聞いた彼女は、なるほどこの人らしいと隣の男を見上げた。
「__お前と似てんだ、よくしてやってくれよ」
『…相変わらず世話焼きだね迅さんは』
「おれはただ、その時の最善を選ぶだけだよ」
いつも通り飄々とした態度の迅にAは何も言わずに笑う。
迅悠一という男は、Aにとってはどこまでもお人好しな人間であった。それは彼女が、彼のいう最善という光に救われた一人だと自覚しているからだ。
迅はそう思っていないだろうが、あの死に際のような暗闇にいた彼女を導いたのは他でもないこの男だったのだ。
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26(ふむ)(プロフ) - 佐藤花子さん» こんにちは、初めまして。コメントありがとうございます。丁寧な感想とても嬉しく思います。これからもしばらくはちまちまとした更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤花子(プロフ) - この作品で初めて貴方を知りました。単刀直入に言いますがとても素晴らしい作品です。言葉選びと丁寧な文章が一つ一つの言葉の魅力を引き出していて素敵です。これからも更新期待しております。ご自身のペースで更新していただければ幸いです。長文失礼しました (2021年8月17日 20時) (レス) id: 2f5d72a0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：26(ふむ) | 作成日時：2021年5月21日 19時
