CODE.4_エリート様の言うとおり ページ6
.
「そういえばA、迅さんに連絡返したのか」
『なんも』
ふと思い出したように聞く烏丸にAはパックのストローから口を離して短く答えた。
駆除作戦ですっかり忘れてたのもあったが、どうせまた向こうから連絡してくるのが目に見えているしいいかと放置していたのだ。
「うっわ〜…流石に迅さん可哀想。せめてメッセの既読くらいつけてあげればいいのに」
『だって迅さんが＿』
と、苦笑いする佐鳥の言葉に言い返そうとAが口を開いたとき、某演芸バラエティ番組のテーマソングが高らかに鳴った。音源は彼女の携帯で、これは迅からの着信音だ。
予想通り鳴った携帯にほらやっぱりと言う顔をして、彼女はベンチから立ち上がると顔から15センチほど離したところで通話ボタンを押した。
《おっ、やっとでたなA〜！お前おれからの連絡無視するのやめろよな〜大事な話だったらどうすんの！》
『てことは大事な用じゃなかったてことですよね、もう切っていい？ていうか迅さん声でかい』
《ヒッドイなお前、いくら迅さんでもそろそろ傷つくんだけど〜？》
『だって迅さん"おれのサイドエフェクトがそう言ってる…"とか言ってコキ使うから』
電話の向こうで泣き真似をしてるらしい迅にAが数日前彼に言われた言葉を反復した。
例のイレギュラー門が発生する数日前、突然本部に来た迅に捕まったAは何の説明もなしに「明日あたりからお前の近くで門開くっぽいから学校行くの禁止ね」などと言われ、頭にハテナを浮かべていればいつものお決まりのセリフだけ残しそのまま置いていかれたのだ。
そして迅の言う通り先の中学校での門含め、4件は彼女の近くで開いていたのである。
振り切れた彼女はイレギュラー門だけでなく湧いて出たトリオン兵をひたすら屠りを繰り返し、そのおかげで休みどころか働き詰めだった。
《あのときは流石に原因までは視えてなかったんだ、ごめんな。とりあえずまた今日から平常運転だから》
『………コーヒー牛乳で』
《はいはい、近々玉狛にこいよ。皆会いたがってるし》
『わかりましたー』
迅の言葉にAが返事をすればんじゃあそういうことで、と通話が切れた。
....
おまけ
「てか迅さんの着信音、笑○のテーマなんだ」
『うん、ちなみに佐鳥はポテトが揚がるあの音』
「いやなんで！？よく見つけるねそんなの」
「俺は？」
『京介は3分クッキング』
「3分クッキング」
「いやほんとに何でなの？」
.
CODE.5_往生際のシリウス→←CODE.3_有象無象をかき集める
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
26(ふむ)(プロフ) - 佐藤花子さん» こんにちは、初めまして。コメントありがとうございます。丁寧な感想とても嬉しく思います。これからもしばらくはちまちまとした更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤花子(プロフ) - この作品で初めて貴方を知りました。単刀直入に言いますがとても素晴らしい作品です。言葉選びと丁寧な文章が一つ一つの言葉の魅力を引き出していて素敵です。これからも更新期待しております。ご自身のペースで更新していただければ幸いです。長文失礼しました (2021年8月17日 20時) (レス) id: 2f5d72a0f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：26(ふむ) | 作成日時：2021年5月21日 19時
