CODE.23_ぬくもりで閉じ込めた ページ25
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ペットボトルの中身を飲み干した米屋はAを見ながらちらほらと彼女に世話を焼く顔を浮かべていた。
彼女は米屋が入隊したころにはそこそこに周りと打ち解けていて、入隊当初の彼女についての噂を聞いたときには冗談だと思ったくらいだった。しかしふとした時に見る彼女のどこか表情の抜けた顔を米屋は知っている。
けれどその表情が何からくるものなのかそれを知る人間は少なく、彼女をここに引き込んだ迅や初期メンバーと同時期入隊者の一部くらいしか恐らくはその根源を知らないのであった。
「Aちゃん休憩終わったら模擬戦やろうよ。射手トリガーでいいから！」
『私負けるからやだ』
米屋と同じく飲み物を空にした緑川は先程の対戦申し込みを諦めていなかったらしく、未だにストローを離さないAの懐に潜り込んだ。
それに出水が僅かに反応したのを見て米屋は笑いを喉元で抑えて、いつものようににやりと口の端を上げた。
「なんだよ明智〜せっかくきたんだからいっちょバトろうぜ？」
『陽介先輩まで…それ際限ないやつじゃないですか』
よっこらせと立ち上がった米屋が言えば今日は模擬戦しに来たわけではないんですよね、と呟くAにいつもランク戦のためにここに来ては戦っている二人は首を傾げた。
「んじゃ何しに？あ、弾バカくんに用事とか？」
『いや、特別誰かに用事でも……ただ何となくそう言う気分で』
「きぶん」
いよいよ分からんと言った顔の米屋はそのまま思考を放棄した。それを見たAは少し眉を下げてからパックの中身を飲み干し、口を開く。
『ただ、平和だなって』
「「うん？」」
『陽介先輩とか緑川とかみんなそうですけど、こうやって皆がいていつも通り騒いでるの見るの結構好きなんですよ』
いつもとは少し違った静かな笑み。
彼女の頭の中にあるのは、すぐ先に起こる大規模侵攻のことであった。
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26(ふむ)(プロフ) - 佐藤花子さん» こんにちは、初めまして。コメントありがとうございます。丁寧な感想とても嬉しく思います。これからもしばらくはちまちまとした更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤花子(プロフ) - この作品で初めて貴方を知りました。単刀直入に言いますがとても素晴らしい作品です。言葉選びと丁寧な文章が一つ一つの言葉の魅力を引き出していて素敵です。これからも更新期待しております。ご自身のペースで更新していただければ幸いです。長文失礼しました (2021年8月17日 20時) (レス) id: 2f5d72a0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：26(ふむ) | 作成日時：2021年5月21日 19時
