CODE.20_とりあえずそれは大丈夫 ページ22
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明智Aは狙撃手には珍しく射手用トリガーを複数セットしている。
狙撃もさることながら彼女の放つアステロイドは単純にトリオン量故の強さがあり、サイドエフェクトを活かした死角からのバイパーによる攻撃も厄介な技の一つである。
そのため彼女はよくパーフェクトオールラウンダーを目指しているものと誤解されるが、その実攻撃手としての才能はからっきしなのだった。
そもそも彼女が狙撃手以外のトリガーを使い始めたのは2年ほど前、A級に上がった穂村隊の戦績が伸び悩み始めた頃だった。
狙撃手は大抵攻撃手などのフォローに入るいわば援護射撃をするタイプが多いが、穂村隊の場合は和戸村が相手を接近戦で動かし、ポイントに誘い出したところでAが撃ち抜き点を取るスタイルであった。
しかし彼女には弱点があった。彼女の狙撃はサイドエフェクトによって得られる規格外の射程を活かした不意打ちが強さであり、場所が割れたり相手と運悪くエンカウントした場合一気に不利になるのである。
それもA級隊員の攻撃手相手では狙撃用トリガーの射速では一度防がれてしまえばすぐ落とされてしまっていた。
「他のトリガー試すの？良いじゃんオレ教えよっか？どうせなら超近距離戦えたらもう怖いもん無しじゃんオレ頭いい〜」
「誰でも思いつくこと鼻高々に言ってんなアホ丸出しだぞ」
Aの考えに和戸村たちはすぐに了承してくれた。そうして彼女は初めて狙撃手用以外のトリガーを試すことになるのだが、問題はそこからであった。
『3秒でしぬ』
「……千の教え方が下手なんだろ」
「ええー嘘じゃん？」
ということで色々聞きつけた太刀川や風間、はたまた迅まで、その一日であらゆる攻撃手が(半分面白がって)稽古をつけにきたがボロボロに負かされ体感を掴むことも出来ず撃沈し、それ以降彼女が攻撃手用トリガーを使うことも口に出すこともしなくなったのは結構有名な話だったりする。
風間曰く彼女は「近づくほど弱い」らしく、つまり単純に至近距離戦における身体の使い方が下手くそであった。それに加え攻撃手の間合いではせっかくのサイドエフェクトも使い所があまりなかったのだ。
ただその後、出水の指導により射手用トリガーでその意外な才能を魅せた彼女は、持ち前の狙撃に加え高威力のアステロイドとそれなりのコントロール力を持ったバイパーを駆使することで攻撃範囲を広げていったのだった。
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26(ふむ)(プロフ) - 佐藤花子さん» こんにちは、初めまして。コメントありがとうございます。丁寧な感想とても嬉しく思います。これからもしばらくはちまちまとした更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤花子(プロフ) - この作品で初めて貴方を知りました。単刀直入に言いますがとても素晴らしい作品です。言葉選びと丁寧な文章が一つ一つの言葉の魅力を引き出していて素敵です。これからも更新期待しております。ご自身のペースで更新していただければ幸いです。長文失礼しました (2021年8月17日 20時) (レス) id: 2f5d72a0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：26(ふむ) | 作成日時：2021年5月21日 19時
