BELIEVE【ワンピースフィルムゴールド】 (ページ16)

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15．ページ16

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頬に添えた手をそっと自分の所へ戻し、
その場を離れようとした時

「.....行かないでくれ」

腕を後ろに引っ張られ、ポスンとテゾーロ
様の膝の上におさまった

『テゾーロ様？』

顔を覗き込んでみると寝ぼけてるのか
起きた訳では無いらしい
とりあえずテゾーロ様の腕から抜け出そうと
動いてみるがびくともしない

どうすることも出来ないため、しょうがなく
起こそうと肩を揺さぶる

『テゾーロ様、起きて』

何度か同じ呼び掛けをするが目を
覚まさない

それにしてもなんでこんなに悲しい表情
をしているのだろう

「...ラ.......ステ、ラ...行かないで...くれ...」

腰に回されている腕の力がだんだん
強くなる

"ステラ"

以前見た手紙に書いてあった名前。
写真にうつった綺麗な人。

貴方はその人のことを思いながら今、私を
抱きしめているの...？
そう思うと何故か胸の奥が、きゅう、と
苦しくなった

苦しい、苦しい、苦しい

初めて感じる苦しさに頭が混乱して
ついていかない

『...なんで、何でこんなに苦しいのよ...っ』

いつまで経ったもおさまらない苦しさに
涙が出てくる
震える体を両手で抑え、ただひたすら
この苦しさが早くなくなれと願う

体の震えを抑えきれずにテゾーロ様に
伝わってしまったのか目を覚ました

「.......A、なぜ泣いているんだ...？」

『テゾーロ、様...なん、でも...ないんです...』

顔を背けようとしたが、テゾーロ様の手が
頬に添えられ強制的に顔を合わせられる

「何があった？」

『だからっ！なにもっ、何も無いです...っ』

ほっといてよ、と言うと怒らせてしまった
のか、私を抱きかかえたまま大きな音を立て
るように椅子から立ち上がった

『あの...テゾーロ様？.......わっ』

勢いよくベッドに放り投げられた
急いで起き上がろうとしたが、それよりも
早くテゾーロ様が覆いかぶさるように私の
上にいた

「早く言え」

鋭い目付きで言う彼に私はただ

『...ごめんなさい』

と何度も呟いた

両手で顔を覆いながら涙を見せないように
隠すけど全然隠せてない
心は落ち着いたのに何故か涙が止まらない

「どうしたんだ...」

『お願い...もう、聞かないで...』

だって、
ステラさんの名前を呼んでいた貴方を見て
胸が苦しくなった、なんて言ったら私が
貴方のこと

＿＿＿＿＿＿＿"好き"、みたいじゃない

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