気まぐれな救世主は保証人を知らぬ 6 ページ8
「どっから来たの、君。」
「…あ〜…」
曖昧な返事をした。さっきから酔っ払ってるせいで彼の身内であろう人間の話を聞かされていた。しかも割と下ネタが入っていて嫌いじゃなかったけどこれ聞いて笑っちゃう自分が嫌になりそうだった。
撮影、スタジオ。この名前が出てくるってことはテレビの人なのかもしれない。最近流行りのyoutuberってやつなのかな。
何聞いてもふにゃふにゃ言うのに勝手に喋り出す彼は、とうとう私に質問を投げかけた。
どこと言われましてもね、と薄笑いで返すも岡崎?と聞かれ、無意識でうんと言ってしまう。
そうですよ岡崎ですよ。馬鹿近いでしょう。
「俺も。」
「ん?」
「俺も、おかざきぃ。」
だろうねぇ!!じゃなきゃ送ろうとか思わんよ!!普通!!
…あれ?
待てよ。
じゃあなんで私、送ろうとか言ったんだろう。
今ここで初めて、彼が岡崎に住んでることを知ったのに。
なんで前から知ってたような、そんな、
「どした?」
「!あ、いや、」
「なんかあったの?」
「いえ、何も…」
「そいえばさぁ、仕事何?」
「え。」
まさかの個人情報。おいおいお兄さん待ってくれよ。
「youtuber?」
「違いますよ。」
「えー、そうかと思ったわ。」
「なんでや…」
…なんだろうな。この親しみやすい感じ。こういう人なのかな。誰とでも仲良くなれる系ってやつ。変なの。
「スーツきつそ〜。」
「は?」
「え?」
「デブってことかと思いました。」
「違うよ〜超ガリじゃん。」
「貴方に言われたくないですね。」
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作者名:枯成湖 | 作成日時:2020年5月26日 11時