中学校は馬鹿がいっぱい�� ページ4
「いつもいつも、ありがとう…月ちゃん」
「別に貴方のために言ったわけじゃないんだけど」
先程までのひそひそもくすくすも無くなって、代わりに向けられるのは「なんだあいつ、無個性の癖に生意気な！」という視線。
それでもさっきよりはマシかな。
「だとしても、助かったよ…僕の言うことじゃ、みんな聞いてくれないし…」
「だろうね」
「う…」
私は緑谷出久が嫌いなのだ。
無個性の立場で、本気でヒーローになる！なんて言ってのけるその精神は、私には理解しかねる代物だ。
どんなに冷たくあしらっても、つきはねても、一向に離れていく様子もないし。
意味がわからない。気持ち悪い。
「無個性でヒーローになるなんて、夢物語にも程があるよ」
「そう、だね……でも、僕は…本気なんだ」
「そういうところ、本当に気持ち悪いねイズは」
「きも！？！？」
「負け組が勝ち組になるには、それ相応の対価が要る」
「…対価？」
「なんでもない、教室行こ」
危ない危ない、こんな話を彼にしたところで、何の意味もない。どころか、変に探られる可能性もあった。
また教室へと足を進める。案の定ひょこひょこ付いてきた緑谷出久を見て、私は頭を抱えた。
耳の長い、白いけものを横目に。
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月ちゃんの様子がおかしくなったのは、まだ中学一年の頃─────
二年生に学年が上がる、少し前のことだった。
それ以前にもなんだかよそよそしくなったな、と感じてはいた。
でも明らかにおかしい、と確信したのは、それまで皆勤賞を目指していた彼女が、何の連絡もなく、無断で学校を欠席したあの日からだ。
月ちゃんは、そんなことをする子じゃない。
幼い頃から一緒にいるのだ、それくらいわかる。
『イズ、わたしたち、いっしょにヒーローになろうね！』
『そしてみんなにおしえてあげるんだ！』
『個性なんてなくたってヒーローになれますよって！』
『無個性でヒーローになるなんて、夢物語にも程があるよ』
『負け組が勝ち組になるには、それ相応の対価が要る』
彼女に何があったか知らない。
でも、ヒーローを名乗るなら、まず身近な人を助けるべきだって、僕はそう思う。
悩みがあるなら打ち明けてほしい。守りたいし、助けたい。僕は……
彼女のことが好きだから。
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えす(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…！！！更新待ってます！！！！！ (2022年6月14日 15時) (
レス) @page22 id: b60a07d35d (このIDを非表示/違反報告)
maria - 面白いです (2022年4月13日 0時) (レス) @page22 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - とても面白い作品です！！更新楽しみにしてます！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 9de3fc0d23 (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年3月22日 21時) (レス) id: c11dc81bfb (このIDを非表示/違反報告)
ますくれもん - あぁ出久君行っちゃダメ！！！魔女がぁあ！！！魔女がぁあ！！！ (2019年6月2日 3時) (レス) id: 35498019b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水葬 | 作成日時：2019年4月28日 3時
