死体人形、魔法少女 ページ13
私は目を覚ました。…目を覚ました？
眠っていた？なんで、ここ、屋上じゃん、うっかり放課後に学校で寝るなんてことある？
起き上がって見れば、ころんと何か落ちた。指輪…私のソウルジェムだ。
目の前には息を切らして汗だくの爆豪勝己。そしてその鋭い視線の先に、尻尾を揺らすキュウべえ。
………爆豪勝己の視線の先に、キュウべえ？
それはありえないことだ。だって、キュウべえは、魔法少女を知っている人間にしか見えないし、姿を見せない。
だから、勝己にキュウべえが見えている筈が……
投げ捨てられた指輪。
ソウルジェム。
この宝石の効果範囲は100メートル。
爆風に乗せて投げられたものは、たとえそれが軽い爆発でも、ゆうに100メートル以上飛ぶだろう。
そして、見えない筈のキュウべえが見えている爆豪勝己。
それらを全て思い返してみて、私は血の気が引いた。
「君に無駄死にされるのは、僕としても大きな損失だからね」
口を開いたのはキュウべえ。まさか、まさかお前、
「彼に君の『本体』、つまりソウルジェムを拾いに行って貰ったのさ─────場所は、僕が君の魔力反応を追って教えた」
キュウべえは普通に視力だけを頼りに探そうと思ったら、とんでもない時間がかかるからね。なんて、平然と言ってのけた。
「それにあたって、彼に魔法少女の存在について説明させてもらったよ。仕方ないよね、僕としても、公開する必要のない情報はなるべく秘めておきたいんだけど、非常事態だからさ」
「…私が、必死になって秘密にしてたの、知ってたでしょ、キュウべえ、お前は…なのに、どうして」
「君からはいいエネルギーが得られそうだから、こんなところで死んでもらったら困るよ。それが理由さ」
「インキュベーター………ッ！！！！！！」
「おっと、僕を殺したって、代わりが来るだけだよ？個体が勿体無いからやめて欲しいな。たださえさっき彼に爆破されたばかりだっていうのに」
「………最悪」
ああ、最悪だ。
今まで彼らを巻き込まないように、秘密にしてきたのに。
魔法少女であることも。
魔女と戦っていることも。
キュウべえのことも。
そして、私のこの身体は単なる入れ物で、魔力で動かしているだけの死体で、本体はこの…『ソウルジェム』であるということも。
「……忘れて」
「……は？」
「忘れて、いや忘れなくてもいいから、何も考えないで。詮索しないで。勝己には関係ないから」
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えす(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです…！！！更新待ってます！！！！！ (2022年6月14日 15時) (
レス) @page22 id: b60a07d35d (このIDを非表示/違反報告)
maria - 面白いです (2022年4月13日 0時) (レス) @page22 id: 2d8c9edfbf (このIDを非表示/違反報告)
リヴ - とても面白い作品です！！更新楽しみにしてます！ (2020年3月29日 14時) (レス) id: 9de3fc0d23 (このIDを非表示/違反報告)
無月(プロフ) - 更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年3月22日 21時) (レス) id: c11dc81bfb (このIDを非表示/違反報告)
ますくれもん - あぁ出久君行っちゃダメ！！！魔女がぁあ！！！魔女がぁあ！！！ (2019年6月2日 3時) (レス) id: 35498019b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水葬 | 作成日時：2019年4月28日 3時
