56本 ページ8
「徹、こんなのが嬉しいのか？だっせぇ！」
「ふぐぅぅっ」
『徹、だっせぇ』
「…で、話って何？及川さん忙しいんだけど」
「彼女に振られて暇だって言ってたじゃん！」
『まーた振られたのか。取り巻きに愛想良くしすぎるからだぞー』
「猛もリッヒーも黙ってて！！」
及川が全面的に大人気ないのが悪いのだが。猛くんと顔を見合わせて2人でやれやれ。みたいな顔をした。
「日向が急に普通の速攻をやりたいって言い出して」
「へー、できたらすごいじゃんやらせてあげれば？」
「簡単に言わないでください！そもそも日向には技術が無いんです！」
「だから『俺の思う通りに動け』って？そりゃ随分な独裁者っぷりだね」
「っ…」
ちょいちょい…そんな正論即KOパンチしなくても…。
「そもそもお前は努力したの？スパイカーの期待に100％応えるような努力をしたのかよ」
「それは…」
「勘違いするなよ。攻撃の主導権はチビちゃんであってお前じゃない。それが分からないようなら独裁の王様に逆戻りだね」
「…」
『…ま、後は日向とお前の問題だからさ。納得するまで話し合えよ』
「理人さんはどう思うんすか」
俺がこの件についてどう思うか、か。うーん。
『影山の使える武器を磨くべきっていうのは分かるし、日向の成長したい！って気持ちもわかる。実際日向の技術力じゃ普通の速攻がいつ成功するかは分からないしな』
「ですよね」
『うん。でも、安定を求めるだけなのはウチらしくないのかな？とも思うよ」
「…」
「リッヒーいこいこ」
『じゃ、影山。またな』
「…ウス」
影山とその場で別れて上機嫌な及川の後を追う。影山いじめるのがそんなに楽しいかね。かわいそうに。
『及川さ、あんなど正論パンチで1発KOしなくてももっと言い方あるんじゃないのか？』
「やだね！なんで及川さんが飛雄に優しくしないといけないのさ！」
『一応先輩だろ』
「及川さんが優しくするのはリッヒーだけですぅー！大体、コートにいたらリッヒーの方がもっと酷いこと言いそうだけど？」
『うぐっ。…否めない』
「コートにいる時のリッヒー鬼畜だもんね」
『そんなんじゃない！…きっと』
自信がないわけではない！断じて！
俺は後輩に優しい先輩を常に目指しているのだから！
「理人は鬼畜なのか？」
『！？猛くんはそんな言葉覚えちゃいけません！そしてお兄さんは鬼畜じゃないよ！』
この後猛くんを家に送るまで鬼畜コールが続いて大変疲れました。まる。
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シオン(プロフ) - こんにちは、楽しく読ませてもらっています。とても面白く、続きが気になる作品なので、出来れば続きを書いて欲しいです。楽しみにしています (2月16日 15時) (
レス) id: b41969ae61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぽん | 作成日時：2023年4月15日 0時
