【HQ】天才サーバー2

59本 ページ11

2週間後。俺たち烏野は深夜から学校のバスに乗って東京合宿に繰り出していた。


「あれがスカイツリーか！？」
「あれは…鉄塔かな」
「宮城には鉄塔ないの？この会話デジャブるんだけど」
「田舎もんは鉄塔全部東京タワーに見えるんだよ！」
「おい暴言。つかここ埼玉な」
『東京のビルよりめっちゃ高かったら東京タワー、そこそこ高かったらただの鉄塔。覚えとけ、影山』
「ウス」
「君は真面目な顔ですんごい適当なこと教えるじゃん」


東京タワーは真っ赤な超デカい鉄塔、スカイツリーは全体的に水色っぽいクソデカい鉄塔だ。それ以外の違いなどない。


今回の夏合宿は森然高校。まずは第一体育館で梟谷とだ。


「理人、久しぶり」
『けーじ！相変わらずイケメン。そして身長伸びた？』
「そんなすぐに伸びないよ」


体育館を開けたところでお出迎えしてくれたけーじに抱きつく。優しくぎゅっと抱きしめてくれた。うん、スパダリだね、惚れちゃうね。


「みんな見てるけどいいの？」
『けーじは俺の大事な幼馴染と説明済みなので問題ナッシング』
「幼馴染、ねぇ」
『？？』
「なんでもないよ。さ、お互いに試合頑張ろ」
『おう！また夜話そうな』
「おっけー」


抱きついていたけーじから離れて烏野の元へ。なんか一瞬雰囲気変だった？気がする。

ま、気のせいかな。


まずはノヤのレシーブから影山に繋ぐ。影山が険しい顔をしながら何やらぶつぶつしているが、大丈夫か？


と思ったら珍しく影山がトスミス。慌ててカバーに入るも、まぁ間に合わない。仕方ない。ほんと、珍しいこともあるもんだと思っていたら。


その後もまあ、噛み合わない！みんなやりたいことを試すんだけど新しいことを速攻やるのは難しい！


かく言う俺もレシーブ失敗した…。ノヤにあれだけコツを教わったと言うのに…。情けない。

…あ！レシーブといえばうってつけな集団がいるじゃないか！！今日はそこで教えてもらおう。え、みんなどうせ自主練するでしょ？ま、こなくても誘えばくるよね。うん。



「今回のペナルティーは森然限定！さわやか！裏山新緑坂道ダッシュ！！だそうだ。じゃあヨーイGO！！」


ぐだぐだになった試合は結局負けて今合宿初のペナルティー。ぐへぇ。


失敗もしたけど悪いことばかりじゃない。初日で新たな課題が見つかったし、日向の対応力も上がってた。

…とりあえず俺の現状の課題はスタミナかな。すでに死にそう。

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