【HQ】天才サーバー

32本 ページ33

及川side

バン！

「ほらほら！次も同じのやるからちゃんと警戒してよね」


やっとリッヒーのサーブを岩ちゃんが上げて俺がツーで決めてやった。

飛雄ちゃんの悔しそうな顔も見れて及川さん大満足！

…にしてもリッヒーサーブ強くなりすぎじゃない？俺絶対取りたくないんだけど。


「蒼井のやつサーブヤベェな」
「ねー！さすがリッヒー！」
「褒めてる場合か。あいつのサーブで6点取られたぞ」


まぁそうなんだけどねー。今のスコアは1-6でうちが負けている。リッヒーのサーブ確かに強烈だけど。

「6点なら予想内でしょ。リッヒー下がるみたいだしこっからがチャンスチャンス」
「ま、次を確実にだな」


岩ちゃんとネット際でそんな会話をし、次に備える。

総合力はうちの方が絶対上だ。リッヒーが下がった今脅威はただ一つ、飛雄のセットアップだけ。チビちゃんのブレードもあるけどあれはまだ対処の仕様がある。


と、思っていたら。

「次も同じのやるんで。ちゃんと警戒しててくださいね」「こんのクソガキ…！」

ツー返しを見事決められた。ムカつく！やっぱりムカつく！

続く飛雄のサーブ。

ドッ！

ありゃりゃ。これはこれは。


「アウトアウト」
「アウト！」
「盛大にフかしたな」
「すごいホームラン！」
「ぐっ…スミマセン！」
『ドンマイドンマイ！』


打った瞬間にあ、やべ！って顔してたもんね。リッヒーと及川さんのサーブ思い出して力んじゃった？ま、俺たちのサーブすごいから飛雄ちゃんがホームラン打つほど力んでも仕方ないか！ぷーくすくす。

クソ生意気な後輩が失敗して悔しがる顔最高。もうずっとそう言う顔しててくれれば愉快なのに。



「それじゃあーーーお手本見せようか」


ドゴォ！

ボールは狙い通り烏野のリベロの元へ。ワンチャン落としてこっちのポイントになったらラッキーとか思ってたんだけど。

フワ。

「西谷ナイスレシーブ！」
「あいたー。やっぱ凄いなー」
「何がお手本だ！普通に取られてんじゃねえか！」
「うへへ」


あちゃー。及川さんのサーブとられちったか。次は狙うのやーめよ。

向こうのアタックに備えて身構える。飛雄は一瞬ライトを見たのちレフトのおチビちゃんとの、速攻でポイントを取ってきた。


「あんな神業トス反則でしょ」

あの愚直な飛雄がいつの間に視線でフェイントなんて技覚えたんだか。

天才が駆け引きまで覚えたら面倒じゃんかー。全く！

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