聡慧 ページ10
「森さんが欲しいのは僕？ それとも
ある程度の核心を持って森さんに聞き返す。
目の前の大人が一瞬息を呑んだのが分かった。
「…想像以上だよ。ますます私は君が欲しくなった」
うっとり、って言う表現があってるのか分からないけど、目を細めた森さんが一歩また近づいて来た。
仄かに香る血の匂い。
「うえっ」
「大丈夫かい？ 思い出してしまったのかな？」
ナールの連中を殺した時の光景が蘇り軽くえづく。
だから森さんの問いかけにこくりと頷いた。
「現場は随分悲惨だったようだね。あれだけ派手にやってしまうと特務課に危険異能者認定を受けてしまうだろう。表社会で生きていくのは厳しい」
「奴らを殺せれば後はどうでも良かった。ポートマフィアに殺されると思ってたし」
「まあ、普通ならそうなんだけどね」
復讐を決めた時から最後は死のうと思っていた。
だって父さんも母さんもいない、目的も無いこの世界は存在する意味を感じないから。
でも僕を必要だと言ってくれる人がまだいるなら。
「貴方は異能力含めて僕が欲しいんだよね？」
「ああ。君の全部が欲しい」
「いいよ」
まだ生きてみるのも悪くは無いかなって。
ただし、父さんと母さんには許されない選択だと思う。だから2人の息子である��北原悠里��はもう死んだことにしよう。
これからは新しいポートマフィアの��北原悠里��だ。
「��俺��が貴方の最強の武器となりましょう。満足させて下さいね？」
いつかどこかの小説で読んだ男を真似して大人っぽい喋り方をしてみる。
まぁあの人は正義の味方だったし今の自分とは似ても似つかないけれど。
「君は本当に…。最高の拾い物だ。君、鍵を」
「はい」
黒服の男が渡した鍵で森さんが俺の手錠を外した。
赤く痕が付いている手首をさする。
今日から俺もこの組織の一員。子供だから色々と学ばなきゃいけないことがあるだろう。
その前に。
「森さん、今日何日？」
「君がナールを殲滅させてから2日後だよ」
2日か…。結構気を失ってたんだ。…ん？
「ちょっと待って」
「何かな？」
「��殲滅��？」
確か殲滅って生き残りがいないってことでしょ？
そんな馬鹿な。だってさ。
「俺が殺したのはあの拠点にいた人だけだよ？ せめて��壊滅��じゃないの？」
あそこにいたので構成員は全部だった？
そんなわけないよね？
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でこぽん(プロフ) - ららさん、shikibuchan00さん、本当にありがとうございます！こんな更新遅い作品を応援してくださる読者の皆様は本当に神様です！頑張ります！！ (2020年8月19日 2時) (
レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
shikibuchan00(プロフ) - 何回も読み直すくらいには大好きです！！応援しています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: dc2c4f0c7f (このIDを非表示/違反報告)
らら - このシリーズ本当に好きです！応援してます！ (2020年8月8日 14時) (レス) id: 160b3d1fa3 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - ありがとうございます！最近更新できてなくて申し訳ないですが頑張ってまいります！ (2020年1月23日 23時) (レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - すんごい面白いです！ひとつめの作品から読ませていただいてます悠里さんかっこいいですね好きです最近寒いですよね！！(困惑) (2019年12月15日 23時) (レス) id: 42869b6ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぽん | 作成日時：2019年7月5日 8時
