侵入 ページ5
no side
不幸なことか、幸いなことか。
悠里は大人と比べても突出して頭の回転が早かった。両親の仕事も手伝っていたほどである。
だからあの5人がどこの組織のものなのかはすぐに調べがついた。
「ナール…見つけた」
辿り着いたナールの拠点を遠目に見る。
入り口には銃を持った見張りが立っている。何人か出入りを確認しており、ここが拠点で間違いない。
ナールの構成員は悠里のことを探していた。と、すれば悠里が住んでいたあの地域を徹底的に探し出すだろう。
そう考えてあの地域に現れた怪しい集団を見たら後をつけるようにしていたのだ。
そして辿り着いたのがこの廃工場というわけである。
といってもいつまでもここで見ているわけにはいかない。捕まりたくはないが中に入る必要があるのだ。
「【桐の花】50m先の倉庫裏」
家を燃やしてしまったあの日。
椎菜には「危険な力だから使っちゃダメだよ」と言われていたが、密かに特訓していた。
危険ということは使い方を考えれば強いということである。
家族を守れるのでは無いかと思ったのだ。結局できなかったけれど。
その結果様々なことが分かった。
自分の力は『異能力』と呼ばれるものであり珍しい存在であること。能力名が【桐の花】であること。そして指定した対象を爆発させること。イメージとしては炎と空気の塊を対象の位置でぶつける、と言った感じになるだろうか。
ドンッ。
爆発音が聞こえて直後火の手が上がった。
「なんだ、襲撃か！？」
「とりあえず見に行くぞ！」
予定通り見張りの2人が走ってそちらの方向に向かった。
これで入り口がガラ空きだ。
悠里はこっそり中に侵入したのである。
いくら頭が良くてもまだ6歳の子供。格闘家というわけでもないし、大人に抑えられたら勝てるはずもない。ましてや銃なんて無理に決まっている。
だから隠れながら進んでいたのだ。
そうは言っても、訓練も積んでいないただの子供。
「おい！ ここにガキがいるぞ！ 入れたの誰だ？」
「っ…！」
後ろから来た敵に気づかず、見つかってしまった。
悠里は首根っこを掴まれ持ち上げられる。
「あ、あの…友達とかくれんぼしてたらここに着いて…勝手に入っちゃってごめんなさい…」
先手とばかりに悠里が謝罪を口にした。
それにより悠里を疑うことなく、男は拠点から出るように、悠里に言い聞かせた。
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でこぽん(プロフ) - ららさん、shikibuchan00さん、本当にありがとうございます！こんな更新遅い作品を応援してくださる読者の皆様は本当に神様です！頑張ります！！ (2020年8月19日 2時) (
レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
shikibuchan00(プロフ) - 何回も読み直すくらいには大好きです！！応援しています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: dc2c4f0c7f (このIDを非表示/違反報告)
らら - このシリーズ本当に好きです！応援してます！ (2020年8月8日 14時) (レス) id: 160b3d1fa3 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - ありがとうございます！最近更新できてなくて申し訳ないですが頑張ってまいります！ (2020年1月23日 23時) (レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - すんごい面白いです！ひとつめの作品から読ませていただいてます悠里さんかっこいいですね好きです最近寒いですよね！！(困惑) (2019年12月15日 23時) (レス) id: 42869b6ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぽん | 作成日時：2019年7月5日 8時
