作戦決行 ページ22
それはなんとも作之助らしい。
こいつも世話焼きのきらいがあるからな。
1日で何百人と殺している自分とこいつが同じ組織にいる事を心底不思議に思うよ。
「悠里、また痩せたか？」
「そうかな？」
少し服の裾をまくって腹を出してみる。
そんなに変わったような気はしないけど…。
「痩せたな」
「ちょっと！ なにしてんの」
ひょい、と長椅子から持ち上げられ、頭上に掲げられる。
この歳になって『高い高い』はちょっと笑えない。
いや、だいぶ高いのは事実だけど。
「俺14なんだけど」
「？ 知ってるぞ」
「もう子供じゃない」
「そうだな」
と、この会話中俺を掲げたまま降ろしてくれなかった。
いや、分かってるよ？
作之助が俺を子供扱いしてるわけじゃないって分かってるけどさ？
どうせ量る物が無いから持ち上げただけだろうし。
「はぁ…作之助、降ろしてくれる？」
「分かった」
正直に頼むとすぐに長椅子の上に降ろしてくれた。
作之助は少し、いや大分天然が入っているだけなのできちんと話せば聞いてくれる。
普段面倒な大人を相手にしているからかすごく癒される。まあ、逆に話が通じないときはあるが、
「北原さん、お話中すみません。今日の任務の事で…」
「分かった。少し待ってろ」
作之助が長椅子に座り直した頃、扉の向こう側から声がかかった。
あ、そういえば今日の作戦書を紙におこすの忘れてた。
「作之助、残念だけど話はまた今度にでも」
「ああ。忙しいところに邪魔したな」
「いや、俺も楽しかったから気にしないでくれると嬉しい」
「分かった。そうしよう」
まだ珈琲は残っている。これは後でほかの仕事でもしながら飲むことにしよう。
「頑張り過ぎるなよ」
去り際に、ぽんと大きな手が頭に乗せられる。
…だから、子供じゃ無いっての。
「で、何？」
作戦室の扉を閉めて振り返る。
そのまま適当な紙を引っ掴んで作戦書をどんどん書いていく。
「偵察隊から新しい情報が入ってきまして…どうやら奴ら、仲間を集めているらしいとのこと」
「ちっ、勘付かれたか。…作戦を早めるぞ」
よし、これで作戦書は完成っと。
しかし何で勘付かれたかな。…偵察隊がバレたわけじゃ無いだろうな？それだったら鍛え直さないと。
「作戦決行は本日二三○○。これ複製して各員に配って置くこと。全員頭に叩き込め。…できるな？」
「「はい！」」
さて、お仕事と行きますか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でこぽん(プロフ) - ららさん、shikibuchan00さん、本当にありがとうございます！こんな更新遅い作品を応援してくださる読者の皆様は本当に神様です！頑張ります！！ (2020年8月19日 2時) (
レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
shikibuchan00(プロフ) - 何回も読み直すくらいには大好きです！！応援しています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: dc2c4f0c7f (このIDを非表示/違反報告)
らら - このシリーズ本当に好きです！応援してます！ (2020年8月8日 14時) (レス) id: 160b3d1fa3 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - ありがとうございます！最近更新できてなくて申し訳ないですが頑張ってまいります！ (2020年1月23日 23時) (レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - すんごい面白いです！ひとつめの作品から読ませていただいてます悠里さんかっこいいですね好きです最近寒いですよね！！(困惑) (2019年12月15日 23時) (レス) id: 42869b6ef5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でこぽん | 作成日時：2019年7月5日 8時
