平和 ページ1
no side
「お父さん、お母さん！」
4.5歳の男の子が両親と思われる人物に向かって駆け寄る。
茶色い柔らかそうな髪を揺らして、満面の笑顔で駆け寄ってくるその姿は大変愛らしい。
子供ながらに顔が整っているのがひと目でわかる。成長すれば美男子となるだろう。
「悠里！ ああ〜！ 可愛いッ。ねぇ、私達の子供可愛すぎるわよ長太郎！」
「分かる！分かるよ、椎菜！ 悠里は僕達の天使だ！」
「わ〜！！ きゃぁー！」
この男の子は『悠里』というらしい。見た目の幼さと名前につられて女の子に見えそうだが、ちゃんと男の子である。
長太郎に高い高いをされて嬉しそうにきゃっきゃとしている。
「息子よ。今日はどうしたんだい？」
「これー！」
悠里が
長太郎がとりあえず悠里を下ろしてその紙を受け取った。
「どれどれ〜？ っ！？」
「え、これって…！」
その紙に書かれた内容とは。
「「…なに？」」
…2人には分からなかったようだ。
それも無理はない。
書かれているのは紙一面の数式。そして、図形のような文字だけなのである。
「悠里、お父さんとお母さんには難しいから、これのこと教えてくれる？」
「うん、分かった！ これはねー、これ、解いた！」
悠里が掲げたのは新聞のある記事。
『今日の難問』と書かれたそこには確かに問題となる数式がある。
答えは載っていないが、まだ算数も習わないような年の悠里が導き出したのだ。
「…椎菜、大変だよ」
「ええ、そうね。長太郎」
「僕達の子供は天使なだけじゃなくて天才でもあったんだ！」
いい大人が大喜び。はしゃぎまくって自分の子供をグルグルと、振り回していた。
そう。悠里は所謂天才少年というものだったのだ。
「今日はご馳走にしましょう！うちの子天才記念よ〜。 悠里、なに食べたい？」
「おむらいすー！」
元気よく手を挙げて
オムライスは悠里の大好物であり、
「本当に好きだねぇ。違うのでもいいんだよ？」
「お母さんのオムライスはおいしいから！」
「天使！！」
むぎゅっと椎菜は抱きついた。
抱きつかれた悠里も嬉しそうである。そしてそれを見ている長太郎も。
北原家は家族愛に溢れたごく一般の幸せな家庭だ。
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でこぽん(プロフ) - ららさん、shikibuchan00さん、本当にありがとうございます！こんな更新遅い作品を応援してくださる読者の皆様は本当に神様です！頑張ります！！ (2020年8月19日 2時) (
レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
shikibuchan00(プロフ) - 何回も読み直すくらいには大好きです！！応援しています！ (2020年8月17日 22時) (レス) id: dc2c4f0c7f (このIDを非表示/違反報告)
らら - このシリーズ本当に好きです！応援してます！ (2020年8月8日 14時) (レス) id: 160b3d1fa3 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - ありがとうございます！最近更新できてなくて申し訳ないですが頑張ってまいります！ (2020年1月23日 23時) (レス) id: 80518ccaaf (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - すんごい面白いです！ひとつめの作品から読ませていただいてます悠里さんかっこいいですね好きです最近寒いですよね！！(困惑) (2019年12月15日 23時) (レス) id: 42869b6ef5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぽん | 作成日時：2019年7月5日 8時
