検索窓
今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:34,160 hit

改善されないままで ページ11

●純

練習中は、タクとはサインの確認と、ピンチの時の最低限のアドバイスしか言葉を交わさなかった。

中途半端なやりとりだけなのが、余計に寂しくて。

こんなことになるならメジャーの話なんて元からなかったら良かったのに、とさえ思った。
早く話していれば良かったんだけどね…

関係は改善されないまま、秋季キャンプの前半が終わろうとしている。

オフシーズンはファン感謝イベントのようなものが色々なところで開催される。
その時、同じ高校出身で若手の俺たちはセットでイベントに呼ばれることが多い。

 明日もトークショーがあるのに…

俺が望むのはメジャーに行くことよりも、タクとの関係改善だった。

お昼の時間になっても全く食欲が出ず、箸が進まない。

「…純、ちょっと。」

見兼ねた松田さんが声をかけてくれた。

「純、いい加減にしろ。
今日中に一度タクと話せ。いつまでそんな状態続けるつもりなんだよ、お互いもう子供じゃないんだから。」

「はい…」

また泣きそうになってしまった。
ここまで情緒不安定になったのはいつぶりだろう。

練習終わりに、思い切って話しかけた。

「タク。」

「…ん?」

「今晩空いてる? 話したいことがあって。」

「…悪い、本当に先約があって。後日でもいい?」

「…うん、分かった。俺こそ急にごめん。」

このやりとりをする間も、まともに目を合わせることはなかった。

ーーーーー

次の日の練習中のことだった。

「純、あさっての夜空いてる?」
松田さんからの誘いだった。

「あ、大丈夫ですよ!俺基本夜は空いてるので(笑)」

「…瑞希とタクも誘ってるから。19:00にこの前の店な。」

「分かりました。ほんとにありがとうございます…。」

 「もう見てらんねえわ、お前ら。」

結局あの後話す機会はなかった。
今度こそちゃんと話さないと。

ーーーーー

明日のトークショーに対する不安や緊張からなのか、お昼頃からあまり体調が良くない。

最近ずっと食欲がなくて食べる量も減ってるし…俺、いつからこんなに神経細くなったのかな…(笑)

 目の奥がズンと重く、偏頭痛の予兆であることは明確だ。
 疲れてるな……

母からの電話→←翌朝も…



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
設定タグ:野球 , 病系 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美咲(プロフ) - あっきさん» 楽しみにされるとなんかテンション上がって早速公開しちゃいましたぁぁあ(笑)読んでくださいね(笑) (2015年11月12日 11時) (レス) id: 53c2fb1671 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あっきさん» あっきさんのコメントが嬉しすぎて私はテンション上がりまくりです!プレミアでなかなか川端選手出してもらえないのなかなか辛いです(´・_・`)小説書くために調べると、なんか気になるようになってしまって(笑) (2015年11月11日 23時) (レス) id: 53c2fb1671 (このIDを非表示/違反報告)
あっき - 完結おめでとうございます!楽しみ&嬉しすぎてコメントの頻度が上がってますね(^_^;)川端選手のやつアップされたらそっちはもっとテンション上がるかもです(^_^;)美咲さんの作品大好きですし、いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2015年11月11日 20時) (レス) id: 878c566972 (このIDを非表示/違反報告)
あっき - そうなんですか?スゴく楽しみにしてます! (2015年11月9日 22時) (レス) id: 878c566972 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - あっきさん» プレミアの方、ほぼ完成しました!base行き詰まっているにもかかわらず、書くのが楽しすぎて…(笑)もうすぐ始まるのでお待ちください! (2015年11月8日 0時) (レス) id: 53c2fb1671 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美咲 | 作成日時:2015年8月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。