検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:15,001 hit

ショタが36人 ページ10

私がやっとの事で轟家に行ったのは、私が高校生ほどになってからだった。

そのうちのニ年間は、勉強、部活動もろもろに埋め尽くされていた。

久しぶりに轟家に来た時は、冬美先輩から大歓迎された。だけど、焦凍くんには歓迎されず、目が合った時は一礼だけで済まされてしまった。

やっぱりショックだったようだ。私もショックだ。


……とまあ、そんな出来事から更に数年後__焦凍くんが天下の雄英高校に入学して、私は冬美先輩のように長年の夢である教師に就職してからだ。





「焦凍くん」

「……何ですか、Aさん」


無表情で、冷たい声で返事をされる。おまけにお姉さん呼びしてくれない。

昔のように、笑顔で嬉しそうな声で話して欲しい。そんな願いも、もう叶わないのかな。


「ニュース、見て……敵の襲撃に会ったんだよね?怪我とかしてない?大丈夫?」

「……別に、大丈夫です」

「……そっか、良かった」


彼と目を合わせて話す為、大きく見上げる。昔のように小さかった身長も、今では軽く二〇センチほど私より大きい。


「あの、もう良いですか。やらなきゃいけない事とかあるんで」

「あっ、勉強かな!?だったらいくらでも教えるよ!これでも教員免許持ってるし!」

「遠慮します。一人のほうが落ち着いてできるんで」

「……そっかあ」


残念に思うけど、頑張って笑顔をつくる。そうでもしないと、私の心がもたない。


「それじゃあね、勉強とか頑張ってね」

「はい、Aおねえ……Aさん」


あれ、今何だか昔の……そう思って、焦凍くんに言った。


「焦凍くん、昔みたいに接してくれていいからね、むしろそうして欲しいや」

「……別に大丈夫です」


普通に拒否された。すごく悲しい。ショック。
そんな言葉が頭の上に浮かぶ。

ついでに終始無表情で悲しい。昔みたいに接したい。一緒に居たい。

そんな事を考えながら、静かに歩いて行く焦凍くんの背中を見つめていた。





(哀しいなあ)

ショタが37人→←ショタが35人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みずい(プロフ) - ショタろき君可愛ヨ…。( ˙-˙ )続き期待しています!!! (2019年8月14日 1時) (レス) id: 0388b1704d (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 沢山のコメントありがとうございます。気が向けば夢主ちゃんと轟くんが付き合う話も書こうかと考えておりますので、宜しくお願いします。 (2018年7月19日 13時) (レス) id: 30a7b63eb1 (このIDを非表示/違反報告)
うさたま(プロフ) - 完結、おめでとうございます。もし、この後結婚の予定があれば、その時は私も駆けつけます!!お疲れ様でした。これからも頑張って下さい! (2018年7月19日 6時) (レス) id: 2ffea79b62 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - ミミさん» サラッと終わったので驚きました(笑) 完結おめでとうございます☆2人の未来が凄く気になりますが絶対に幸せになると信じています!お疲れ様でした! (2018年7月19日 0時) (レス) id: 5f1549994e (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - はい、そうです。長い間この作品を読んで下さりありがとうございました。これからも宜しくお願いします。 (2018年7月19日 0時) (レス) id: 30a7b63eb1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミミ | 作成日時:2018年4月16日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。