検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:5,181 hit

11 ページ11

『可愛かったなぁ…京子ちゃんと明美ちゃん』


成蘭からの帰り道伊藤は少し引っ掛かるような顔をしている


伊藤「ちょっと聞きてぇ事があんだよ」


横に歩いてた伊藤が急に居なくなったと思ったら私より1m後ろに居た
伊藤の真っ直ぐな目は私を貫いている


『何?』


少し声が裏返った自分の声に
自分でもビックリした

そうか、怯えているのだ
自分はこの男に怯えているのだ


伊藤「お前、本当に男か?」


身体中から冷たい汗が流れている気がする


『えっ?な、何言ってんだよ?』


伊藤「お前こそ何キョドってんだよ」


顔の色一つ変えずに真っ直ぐな目で見てくる伊藤に私の心拍数は上がりまくった


『お前っ…意味わかんねぇ事言ってんじゃねぇぞ!!』


殴り掛かるとその拳は力強い伊藤の掌で簡単に止められてしまった

伊藤「軽ぃな…やっぱお前"女"だろ」

《女》その言葉は意図も簡単に
私の胸を突き刺した

『離せっ』

伊藤の掌の中で暴れるが
全然男の力には適わない

伊藤「なぁ三橋よ正直に言ってくれ」

『違っ、』

違う、そう言いかけた瞬間
首と伊藤に殴りかかっている拳がスっと空気に触れた

見ると首と拳に巻いていた包帯が取れていた


『ひっ、』


忌まわしいあの時の傷が他人に晒されている
怖くてしょうがない

忌まわしい記憶が蘇ってくる

伊藤「お前っその傷…」

目を見開いて私の傷を見る
驚きで伊藤は私の手を離した


『だっ、誰かに言ったらぶっ殺すかんな!!』


やっと離れた手を隠して包帯も巻き直さず
涙が目から零れていく

伊藤が見えなくなるまで全速力で走った





最後に見えた伊藤の顔はすごく悲しそうだった

12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ムツキ(プロフ) - 続き楽しみに待ってます! (2020年7月18日 9時) (レス) id: 9ff521f144 (このIDを非表示/違反報告)
爆殺王 - えっ、えっとありがとうございますっ (2019年9月15日 0時) (レス) id: 82988f9666 (このIDを非表示/違反報告)
爆殺王 - すっ、すみません (2019年9月15日 0時) (レス) id: 82988f9666 (このIDを非表示/違反報告)
- 男装!好きです! (2019年6月12日 11時) (レス) id: 1764dd55eb (このIDを非表示/違反報告)
健太郎ーーー!!!いっぱいちゅき - え?あ、あの続きは? (2019年1月14日 22時) (レス) id: 52c6199615 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:爆殺王 | 作成日時:2018年12月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。