29日目 ページ31
次の日
学校は臨時休校となった
昨日の騒ぎがあっての今日だ、
そうなるのも当然だろう
私は相澤先生に学校へ来るように言われたのだが
お爺ちゃんが亡くなったことを伝え、話は明日にしてもらえることになった
私のお父さんとお母さんは他界
父方の祖父母は、すでに亡くなっていて
母方の祖母も10年も前に病死した
私が家族と呼べる人は、お爺ちゃんしかいなかった
これからどうすればいいのかわからないまま
莫大な書類の記入に追われていた
『はぁ、ちょっと休憩しよう』
私はキッチンに行き、コーヒーをおとす
ふとスマホに目を通すと、お茶子ちゃんからLINEが来ていた
お茶子ちゃん昨日どしたん?大丈夫?
と、私を心配してくれている内容だったが
今は返信する気になれず、電源を切りスマホを置く
そういえばお爺ちゃん
「わしになんかあった時は、仏壇の下の棚の引き出しに色々入っているから」
って言ってた気がする..
引き出しを開けると通帳と封筒と何に使うかわからない古びた鍵が入っていた
封筒にはお爺ちゃんの字で Aへ と書かれていた
なんかあった時のために私に手紙を残しておいてくれたんだ
自分が長くないってわかってたんだ、きっと
私は手紙を開く
“ Aへ
まあまずは落ち着きなさい。
急にひとりぼっちになって不安だろうけど、Aならきっと大丈夫さ。
お金の心配は要らないよ
Aが一生暮らしていける分のお金は貯金してあります。
昔から泣かない強い子だった
人を助けることが好きで、泣いてる子供に自分の大切なおもちゃをあげられる、そんな子供だったよ。
お前の両親が亡くなってもAは私に一度も涙を見せたことがなかった。それがAのいいところで、悪いところでもある。
もっと他人を頼りなさい
辛かったら助けを呼びなさい
そして、かっこいいヒーローになるんだよ
Aの夢をいつまでも、応援しています。
Aのおかげで大変幸せでした。
ありがとう。じゃあね。 “
通帳を開くとそこには私が一生仕事をしないで暮らしても余るほどのお金が入っていた
『……っ、お爺ちゃ……っ！』
私は泣き崩れた
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作者名：Sa_yak | 作成日時：2024年3月27日 13時
