154話 ページ19
ﾞ Aの言った通りそれはAのもんだし私が捨てる権利はない。捨てるか捨てないかはAが決めなﾞ
『､､､さっきまで処分する気満々だったくせに』
全て片付け、家入と解散したAは何も無くなった部屋に寝転がり指輪を見る
いつの間にこんなもん買ったんだろうか
シンプルな飾り気のない指輪
いかにも傑らしいデザインに胸がギュッと締め付けられた
『､､､よし』
窓を開ける
あいにく今日は大雨だった
ここは山という事もあって霧が出ていて外は見にくい
風のせいで入ってきた雨を体に浴びながら指輪を持っている腕を振りかぶる
指輪を思いっきり投げた
指輪はすぐに僕の視界から消えた
窓を閉める
『、これで、良かっただろ』
自分に言い聞かすように口に出す
あの指輪を持っていたってしんどいだけだ
傑が戻ってくることなんてない
指輪を捨ててキッパリ忘れた方がしんどくない
､､､しんどくないはずだ
ーーじゃあ、今僕の胸を締め付けているこの感情は一体なんなんだろうか
『、ッ､､､』
再び窓を開け勢いよく飛び出す
霧のせいで足元が上手く見えず転げ落ちた
泥だらけになりながら必死に探す
ーー傑の指輪を
『チッうぜぇ！』
雨のせいで張り付いた髪を払い除け目を凝らす
そんな遠くに飛んで無いはずだ
それに、少しだけ傑の残穢があった
よく探せばーー
『、あ』
地面の下で光る何か
駆け出し拾い上げると確かに傑の指輪があった
『あった､､､』
安堵と同時に笑いが込上げる
自分で捨てたくせにこんな大雨の中無下限忘れて泥だらけになって探すって
『ははっ！ダッサ！』
『硝子、僕の判断に賛成してくれる？』
硝子｢嫌､､､って言いたいとこだけどいいよ。言ってみな｣
『この指輪ネックレスにして付けていい？』
硝子｢嫌｣
『硝子､､､』
さっきいいって言ったじゃん
硝子｢そんな事してしんどくなんのはAじゃん。捨てる手伝いならしたけどそれは賛成したくない｣
プイとそっぽを向く硝子はいつもより幾分か子供だ
てかやっぱ捨てる気なんじゃん
『さっきさ、指輪思いっきりぶん投げたの』
指輪を見せる
『でも変わらずここにある』
硝子｢､､､､､､｣
『まぁ、つまり捨ててもしんどかったんだよ』
どっちにしてもしんどいなら僕は傑の指輪を付けたい
結局のところ1年経った今でも傑の事が好きなんだ
悔しいぐらい
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胡蝶 恵@副垢(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2022年1月9日 3時) (
レス) @page22 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
モッチー(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！自分の作った作品をそんな風に言って頂けてとても嬉しいです(*^^*)これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2021年3月21日 18時) (レス) id: 982b2a960d (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く楽しめました!!。成り代わり作品は、大好きなのでこの作品も凄く好みで良かったです。これからも無理せず自分のペースで更新頑張って下さい。 (2021年3月21日 15時) (レス) id: 98ce85bdde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モッチー | 作成日時：2021年3月15日 12時
