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150話 ページ15

『はい。私の勝ち』


ニヤリと笑うAの前には尻もちを着いた禪院


たった今、組手が終了したところだった


禪院は告白してからというもの度々東京校に訪れていた


最初はさっさと自分の学舎に帰れと言っていたAだが今ではそれさえ言うのも面倒くさくて放置している


今日は戦闘に近い勝負をしてくれと頼まれ組手をしていた


いつもだったら面倒臭いと断っているがあいにく今日は暇


首を縦に降った


そして今に至る


直哉「、っ」


悔しそうに顔を歪める


その顔を見て更に得意げにAは笑った


直哉「、もう1回や」


立ち上がり構える


その様子を見てAは首を傾げる


『何でそこまで躍起になってるわけ?』


実はと言うと「もう1回」と言ったのはこれで3度目だった


何がそこまで直哉を動かすのか


女に負けた。悔しい。俺が女に負けるはずがない


そういうプライドだろうか


直哉「Aちゃんに負けるんだけは嫌やねん」


『私が女だから?』


眉間に皺を寄せ言う


直哉「、、、、、、」


図星だからか直哉は何も言わない


その様子にため息をついた


『直哉さぁ、いい加減女を見下すのやめた方がいいよ?』


小さい頃から男尊女卑が当たり前として育ってきたから直すのは大変だろうけど


直哉「そんなんやないわ、!」


声を上げる


『あーはいはい。別にそういう言い訳はいいって』


私との組手は今日は終わりな、と校舎の方へ向かう


直哉「、、、好きな女にコテンパンにされたら誰だって嫌やろ」


後ろで直哉がそうボヤいた


振り返る


不貞腐れながらも恥ずかしそうに頭を搔いて頬を染めていた


『、、、それだけ?』


直哉「俺やって男や。好きな女守りたい思っとんのに逆に守られる程弱かったら嫌に決まってんやろ」


意外な返答だった


『、、、お前どっちかと傷つける方じゃね』


直哉「それはそれ。これはこれや」


『どれだよ』


いつもの雰囲気に戻る


まぁ、直哉らしい答えだと一息ついた



直哉「という事でもう1回!」



『やだ』

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胡蝶 恵@副垢(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2022年1月9日 3時) (レス) @page22 id: 5b2f0bd76c (このIDを非表示/違反報告)
モッチー(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます!自分の作った作品をそんな風に言って頂けてとても嬉しいです(*^^*)これからもどうぞよろしくお願い致します! (2021年3月21日 18時) (レス) id: 982b2a960d (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く楽しめました!!。成り代わり作品は、大好きなのでこの作品も凄く好みで良かったです。これからも無理せず自分のペースで更新頑張って下さい。 (2021年3月21日 15時) (レス) id: 98ce85bdde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モッチー | 作成日時:2021年3月15日 12時

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