【鬼滅の刃】日本一慈しい鬼退治 参

慈しい百捌 ページ8

『拾壱ノ型！？』

俺が知っているのは拾ノ型までだ

累「拾壱ノ呼吸がなんだって言うんだ！」

累が攻撃を仕掛ける。しかし、糸はハラハラと当たる前に落ちた

累「！？(何だ？何をした？奴の間合いに入った途端糸がばらけた。一本も届かなかったのか？最硬度の糸を、、、斬られた？)」

累は信じられない

累「(そんなはずはない。もう一度、、、)」

そう思い、瞬きをした瞬間。男は累の横に立ち、頸を斬っていた


鱗滝の技は拾まで。

拾壱ノ型は義勇が編み出した義勇だけの技

凪とは、無風状態の海のこと。
海水は揺れず、鏡のようになる

義勇の間合いに入った術は全て凪ぐ。
無になる


累の頸がゆっくりと落ちた

累「(殺す！殺す！あの兄妹は必ず、、、殺す！！)」

禰豆子(妹)を守るように覆い被さるAが視界に入る

累は目を見開いた

母親役をさせていた鬼の言葉を思い出す

ﾞ累は何がしたいの？ﾞ

累「(答えられなかった。人間の頃の記憶がなかったから。本物の家族の絆に触れたら記憶が戻ると思った。自分の欲しいものが分かると思った。そうだﾞ俺ﾞは、、、ﾞ俺ﾞはーー)」









累side

体が弱かった

生まれつきだ

走ったことがなかった
歩くのでさえも苦しかった

無惨様が現れるまでは

累「！！」

鬼舞辻「可哀想に。私が救ってあげよう」

両親は喜ばなかった

強い体を手に入れた俺が日の光に当たれず、人を喰わねばならないから

「なんて事をしたんだ！累、、、！！」

俺の前には死んだ人

父は怒り、母は泣いていた


昔、素晴らしい話を聞いた

川で溺れた我が子を助けるために死んだ親がいたそうだ

俺は感動した

何という親の愛。そして絆

川で死んだその親は見事にﾞ親の役目ﾞを果たしたのだ

それなのに、何故か俺の親は俺を殺そうとした

母は泣くばかりで、俺を庇ってもくれない

ﾋﾞﾁｬｯ
両親の血が飛び散った

偽物だったのだろう
きっと、俺たちの絆は

本物じゃなかった

「ご、、ね、、」

何か言ってる
まだ生きてるのか、、、

「丈夫な体に産んであげられなくて、、、ごめんね、、、」

累「、、、っ」

その言葉を最後に、母は事切れた

死んだ

ﾞ大丈夫だ累、、っ、一緒に死んでやるからﾞ

殺されそうになった怒りで理解出来なかった言葉だったが、父は、俺が人を殺した罪を共に背負って死のうとしてくれていたのだと、その瞬間、唐突に理解した

ﾌﾟﾂﾝ
本物の絆を、俺はあの夜、俺自身の手で切ってしまった

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