合縁奇縁

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｢じゃあオレの事教えてやるよ｣





『いやいい』





｢ははっはっきり。まぁいいけど。歳は9で小4｣





勝手に話し始める男の子





あれ、私いいって言ったよね？





掴まれているのでお得意の投げ技で逃げようとも考える､､､が、





手当てした側が怪我人を投げるのはどうかとも思う





さっきから上手いこと行動に出来なくてイライラが募った





｢特技は人の歯を折ること｣





『いやいやいやいや』





普通自己紹介をする時に聞くことなんてない一言が聞こえて思わず遮る





｢あ？なんだよ｣





『自己紹介するならもうちょっとマシな事言ってよ』





｢例えば？｣





『そりゃあ誕生日とか血液型とか、好きな物とか？夢とかでも、って何でニヤついてんの』





｢いや、意外とオレの事知りてぇんだなって｣





『違う！』





全力で否定する





それを見てまた笑われた





｢誕生日は10月27日。血液型はAB型｣





私が言った自己紹介をそのまま述べる





AB型､､､どうりで変わっているわけだ(偏見)





｢好きなもんは、｣





ｸﾞｲｯ





『ぅわっ』





顔が近づく





｢ゾクゾクすること♡｣





ｿﾞﾜｯ





慌てて腕を振り払り距離を置く





危険人物！





守るように自身を抱きしめる





｢夢はそうだなー、あんま考えた事ねぇな｣





男の子はそんな私を気にせず続けた





｢､､､あ、適当に100人ぐらいはべらせて起きてから寝るまでめんどくせーこと全部やらせたい、かな｣





ろ、ろくな自己紹介じゃない





、あれ？





軽く引きながらあることに気が付く





『アンタの名前は？』





私の言葉に更に男の子が笑みを深めた





｢知りてぇ？｣





『いいです』(即答)





｢ばはっ♡｣





いやだからなんで喜ぶ





｢オレの名前は次会った時に教えてやるよ｣





『だからいいってーー』





｢次会う時が楽しみだな♡｣





男の子は怪我の痛みはどこへやら、｢じゃあな｣と笑顔で去っていってしまった





『いやもうほんとに勘弁して､､､』





やっ‐かい【厄介】
意味▷めんどうなこと。扱いに手数がかかり、わずらわしいこと

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