慈しい卌壱 ページ41
数十年前ーーー
おばあちゃんが生きていた頃
「A」
『なぁに?』
「大事な話があるからこっちにおいで」
いつもの柔らかい笑みとは違い、真剣な表情で言う。
『、、、うん』
私はいつもと雰囲気が違うおばあちゃんに驚きながらも後に続いた
部屋に行くと、お父さんもお母さんもいた
『お父さん!お母さん!』
二人に飛び込む
二人は軽々と受け止めてくれた
しかし、顔は固い。母も父もいつもと様子が違った
『どうしたの?』
「A。お前は今日から男として生きてほしい。出来れば一生」
『、、、え?』
おとこ、、、?
炭十郎「お母さん、それはあんまりです!」
葵枝「私も反対です!女の子として生まれたのに一生男として生きるなんて!」
「じゃあ、Aが危険な目にあっていいのかい!お前たち二人にはきちんと言い伝えを言ったはず!」
『言い伝え、、、?』
「、、、この竈門家にはある一つの言い伝えがある」
゙千年に一度、花札の髪飾りを受け取った少女が現れる゙
゙その少女、不思議な力あり。完璧を求める者、その少女の血、一年欠かさず飲めば完璧なり゙
゙途中でやめる。喰い殺せば。その血飲んだ者に災いあり゙
「これが言い伝えだ。分かるか?」
『、、、あんまり分からない』
「そうか、、、でもこれは大事な事だ。もしそんな奴が現れてみろ。Aは間違いなく狙われる。命を繋ぎ止めるには一生男のまま生きるしかない」
葵枝「そんな言い伝え信じません!」
炭十郎「そうです。過去を辿れば、千年間のうちに一回ぐらいは花札の耳飾りをつけた少女がーー」
「いない、この言い伝えは本当だ」
二人はおばあちゃんを疑っている訳ではなく、信じたくないだけのように思えた。
二人はAに普通の女の子として生きて欲しいのだろう
葵枝「っ、ではこうしましょう。十五歳までは男装すること」
「それでは意味がない!」
炭十郎「いえ、十五になればそれなりに力がつく。たとえ力がなくとも、そいつから逃げることは可能だと思います。それに何かあったら俺が守ります」
おばあちゃんがため息を着く
「、、、後悔するぞ」
葵枝「それでも、Aが一生男として生きるなんて私は耐えられません」
「Aはそれでいいのか?」
その時、初めて我儘を言った
『ーーーうん。私だって御粧ししたい』
炭十郎「ほら、Aだってこう言ってますし、、」
「わかった、、、」
おばあちゃんはその数ヶ月後亡くなった
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眠いちゃん - 神すぎて言う言葉が見つからない……こういう時にカナヲの銅貨かったら便利だろうなぁ… (2023年1月4日 21時) (レス) @page27 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
モッチー(プロフ) - 神綺さん» いえ全然!!わざわざありがとうございます(●´▽`●) (2020年7月24日 16時) (レス) id: 982b2a960d (このIDを非表示/違反報告)
神綺 - ここもみたはずなのにコメント出来なくてすみませんでした… (2020年7月24日 16時) (レス) id: bf878b2d72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モッチー | 作成日時:2020年4月24日 2時