5話 ページ6
「A、起きるのじゃ。朝だぞ」
え、朝?
聞き覚えのある声の主に呼ばれ、体を起こす。
「……ぁ」
「おはようさん」
目が合うとニコリと笑いかけてくれた。
慌てて寝ていた所から降り、挨拶をする。
「お、おはようございますっ…」
「ほほ、そんなに律儀に。賢い子じゃのぉ。」
すぐ側の椅子に腰を掛けていた老人は、どうやら俺を保護してくれたようだ。
寝ている間、側にいてくれたのだろう。
昨日のことはハッキリ覚えていないが、敵ではないことは確かだ。
「…あの、助けていただいて、ありがとうございました。」
「ええんじゃよ。火影として当然のことをしたまで。お主も良くあの熊に逃げずに立ち向かったの。勇敢であった。将来はいい忍になれるかもしれん。」
「……いえ」
火影? 忍?
どういう事だ?ここは日本じゃないのか?
でも外国に忍者なんていない。
??
「火影様っ!!」
突然窓から人が来た。
ビックリして咄嗟に老人の後ろに隠れた。
「どうした、何かあったかの?」
慌ててる人に対して、老人は冷静さを求める。
「いえ、実は…」
ハッと俺をみて聞かれてはマズイと思ったのか、火影に耳打ちをするように話をした。
「そうか、すぐ行くからの。先に行っておいておくれ。」
「はっ」
状況は少し見えないが、問題が起こったのだろうか。
いや、そもそも様付けで呼ばれてるじいさんだ。
もしかしたらこうやって俺を見てくれていたのが問題だったのかもしれない。
だとしたら迷惑かけてしまったのかも。
あ、えと、
「すまんの、A。用事があるからまた後で来るからの。」
「ぁ…はい」
申し訳なさそうな顔で、俺の頭を撫でる。
まぁ、命の危機だった子供をまだ心細いであろうのに置き去りにするのは、俺としても心配になる気持ちもわかるが。
迷惑を掛けては悪いので
「…ほかげさま、オレはいいから。がんばってきてね」
精一杯子供っぽい舌っ足らずさと笑顔を作る。
火影と呼ばれた老人は面を食らったような顔をしたが、ふっと柔らかい笑を浮かべた。
「あぁ、がんばってくる。お主はこの病院で安静にしているのじゃぞ。」
そう言い残したあと、火影は窓から飛び出して行った。
やっぱり偉い人なんだな。
見送ろうとして窓際まで来たが、ある所に気づく。
高い部屋の位置から、古い建物の屋根を早い速度て渡る火影。
あぁ。
思い出した。
ここは、NARUTOの世界だったんだ。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Roji | 作成日時:2017年9月17日 13時