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10話 ページ12

シカマルside


俺の問にAは目を丸くした。

Aの横に腰をかけると、Aは重々しく口を開いた。

「……なんで?」

「なんでって…お前、わかりやすいんだよ。」


「ぇ、そんなに隠れるの下手だったか?」

「いんや、隠れるのは完璧だったと思うぜ。でもお前目つき悪いからすぐわかった。」

「………?……………??」


心底意味がわからない、と言った風に目を細める。そういうところだって。

俺も目つきは悪いけど、そこまで酷くないぜ。

目は口ほどにものを言うとは、こいつにぴったりだ。


「まぁ、そんな話をしにきたんじゃないんだよ。ぶっちゃけ、お前今、何しようとしてたんだ?」


俺の目が正しければこいつは自分の首を絞めようとしていた。

今は手を幹に置いているが、首には絞めたあとが強く残っている。

「……何も、してないけど?」

「へぇ…お前の悪い癖だぜ、それ。たまにしてんの見えてんだからな。」

「……?………はぁ??」


あれ、自覚してないのか?

何にせよ危険な行為だ。

「で、お前何に悩んでんの?」

止めるのが友達として最低限してやれる事だ。


Aは眉間にシワを寄せた。疑いか。

しばらくの沈黙した後、ポツリとAは呟いた。


「…俺、他人のことでこんなに悩んだこと、無かったんだ。」



嘘つけ。



咄嗟に口に出そうになった。


え、こいつそんなので悩んでんの?

他人て、ナルトの事だろ?

「最近まで、どうでもいいって思ってたんだけどさ…」


いや、お前、アカデミー入ってからずっとナルトのこと心配そーにガン見してたろ!?

「お、お前…」

「ああ、わかってるんだ…!俺には何も出来ないって……」

当たり前だよ!流石にお前でもナルトの卒業試験不合格は変えれねーよ!!

何お前、ナルトに執着しすぎじゃね?!

喋ったことねーだろ!


「あ、うん。そーだな…」

思わず適当な返事しちゃったわ。


「とりあえず、A。お前自分のために生きれば?」

「……え?」

「お前の話聞いてると、自分差し置いてものを考えてるように聞こえる。」


少しの沈黙。Aは俺の言葉に思いたる節があるのか、目を背けた。

「大人になった時のこと考えてみろよ?いつまでもそれに執着してると思うか?」

「…いいや」

「な?他人のことは自分の後でいいんだ。そんなことで自分の首を絞める様なことしなくていいんだよ。」

「!」


目に光が入り、珍しく顔にも明るい表情が見られた。

大丈夫かこいつ

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作者名:Roji | 作成日時:2017年9月17日 13時

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