私の王子様は、超ドSでした。[ 2 ]

（４２） ページ6

＊＿ 琥珀 side



電車を乗り換え、また動き出す。



はああ、ほんとツイてないわ今日。




ここから学校への電車は、行き手が

少ないため、思いのほか空いていた。


まあ、いつもよりは混んでるけど(笑)






.






.






.






.






.



『次は〜、××駅〜、××駅〜』




ここが、俺の高校がある駅。


駅から歩いて10分のところ。割と近い。




.




.




.




.




.



トントンっ





電車をおりた時、誰かに肩を叩かれた。






振り返ると＿＿＿＿＿＿＿＿。








え、ちっちゃ。



俺より、頭いっこぶん背の低い女の子。





琥珀「……何？」


A「これ、落としましたよ！！」




そう言って、手渡されたのは、赤のピアス。






嘘だ。これ、俺のじゃない。



だって、俺のは、黒色のピアスで、


駅とホームの間に落ちたんだから。



いくら小さくても、拾えるわけない。




手渡されたピアスは、新品のようにキラキラしている。





あ、これこいつが買ったな。



それは一瞬でわかった。





琥珀「わざわざ買わなくてもいいのに」


A「……え？！買ってませんよ？！！」




わかりやす。顔に『買ったよ』って書いてあるわ。




A「とっ、とにかく！！これ、
あなたのなんですから、ね！！どうぞ！」




強引に手に握らされ、どこかで


見覚えのある、笑顔を見せた。






ののか「ほら！A行くよ！」


A「あ、待って〜！ののか〜！！！」




その子は、友達を追いかけて

走っていってしまった。




へえ、Aっていうんだ。



どこかで聞いたことある名前……。


ま、気のせいかな(笑)




.




.




.




.




.



それが、俺とAの出会いだった。



.

（４３）→←（４１）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す